検索窓
今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:253,343 hit

言いたいことは ページ15

「えっと…」




聞き慣れた声に振り返ると、余所行きの笑顔を貼り付けたあいつが、初めて会うスタッフに何かを問われ、困惑した表情を浮かべていた。




「どうかしました?」
「あ、北山さん、お疲れ様です。終わった後、仕事入ってないって聞いたので、どうかな、と」




クイ、と見えないジョッキを傾ける動作をして気さくに笑うスタッフに俺は好印象を覚えた。

が、スタッフの後ろで眉間に皺を寄せる様子を見ると、どうやら藤ヶ谷にとっては不合格の判定らしい。





「すみません、実はちょっと俺ら事務所に呼び出されてて」
「あ、そうなんですか。じゃあまた声かけますね!藤ヶ谷さんも呼び止めてしまってすみません。
お疲れ様でした」





最後まで丁寧な対応をするスタッフに、嘘をついてしまったことに対する罪悪感が生まれてくる。

チラ、と藤ヶ谷に目を向けると、一瞬だけ目が合ってすぐにそらされてしまった。

何か言いたげにしていたけれど、結局俺に何も言うことなく立ち去って楽屋へと消えた。



は?何その態度?




その後を追うように楽屋へ入ると、玉森や横尾さんの元で安心したように笑う藤ヶ谷を見て、素直に腹が立った。

何か一言でも言ってやろうかと思っていると、勢い良くニカが俺に飛びついてきた。




「うおっ」
「ミツー!今日飯行こー」
「ん、ああ。良いよ」





何処にするか、と聞こうと抱き着くニカを引き離そうとすると、パチ、と再び藤ヶ谷と目が合った。





「俺も…」
「え?」





小さく動いた藤ヶ谷の口に、楽屋が静まり返った。






「俺も行く」






_______

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (330 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
581人がお気に入り
設定タグ:藤北 , 北藤
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たいちゃんらぶ(プロフ) - ・・にジーン( ;∀;)あぁぁぁ‥好きです・・ゆびわに気づいたたいぴ・・いつか!!!待ってます(*´σー`)エヘヘ (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!っと愛おしいし‥会社のエースなのにガヤさんと離れるのやだー(´;ω;`)と潰れるガヤさんにゾッコン(←)な玉ちゃんが大好きです♪サプライズに鳩になるたいぴ可愛い♪俺の胸に飛び込んでおいで!って本気な玉ちゃんにwwやっと絞り出したおかえり (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 遠かった春・・( *´艸`)私‥夜布団の中で目が覚めた時更新チェック・・ついしちゃうんですが‥「春」シリーズだ!!! と思うとどんなに眠くっても起きて見ちゃう(`・ω・´)ゞきたやまくんの言葉に真っ赤になっちゃうガヤさんはホント可愛いし‥玉北ちゃんの飲み会は (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 君が壊れる日・・いつもは光の中に身を置いているようなみっくん・・だからこその抱える闇なのかも(´;ω;`)ウッ…なんて思ってしまいました。でもそれを見逃さないたいぴが隣にいるなら…涙。ふえーん( ;∀;)… (2018年11月17日 19時) (レス) id: 0f3cc9e55e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 北斗さん» コメントありがとうございます! 春シリーズ好評頂けて嬉しいです( ;∀;)! この2人と北山さんことはこれからも書いていこうと思っております!また是非読んで頂ければ嬉しいです! (2018年11月16日 1時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年9月14日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。