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「おはようございます」
「あ、おはよう、ございます・・・」
そうだ、俺は、何故か教育係を任されたんだった。
珍しく昨日は酷く酔ってしまったせいで、朝に自分の家に帰ることなく、玉森のマンションから職場に直接来た。
北山くんの、元気な返事が二日酔いの頭にガンガン響く。
自分から誘ったのもあるけれど、昨日の玉森はしつこかった。気づけば時計は深夜になっていて、もうあまり若くない体に鞭を打って部屋を出た。
_____
「藤ヶ谷さん、これ、飲みます？」
「え・・・」
教えていた作業がある程度終わったタイミングで、ちょうどお昼の時間になった。すると、北山くんが差し出して来たのは二日酔いに効く錠剤だった。
「昨日の飲み会で、朝から二日酔いで。持ってきてたので、良かったらどうぞ」
「あ、ありがとう・・・」
おずおずと北山くんの手から薬を受け取って、ペットボトルの水で流し込んだ。
「藤ヶ谷さん、もし良かったら、昼食一緒にどうですか？」
「は、はい？」
「迷惑じゃなければ、是非」
「あ、え、っと、大丈夫ですけど」
何だ、このスマートな運び方は。
出張や接待が多い玉森だから、基本玉森は外食で済ます。だから玉森の部屋には調理家具が一切無いため、今日は弁当がない。仕方なく重い腰を上げて社食にでも行こうと考えていたのだ。
「どこかありますか？藤ヶ谷さんのオススメのお店」
「いつも、お昼は、弁当だから」
「じゃあ、僕が行ってみたいお店でも大丈夫ですか？」
「はい」
これじゃあどっちが部下で、上司なのか分からないな、なんてぼんやり考えながら鞄を持って、春の暖かな日差しの下、北山くんと会社を出た。
_____
会社があるオフィス街から少し外れた静かな通りにまで北山くんと二人で歩いてきた。
「・・・あれ」
「あ、知ってます？ここのお店」
「あ、うん、はい」
連れて来られた、と言って語弊は無いんだが、部下である北山くんに連れて来られたのは、玉森に初めて連れて来て貰った蕎麦屋だった。
「ここの蕎麦屋、食べてみたかったんですよね」
「あ、うん、美味しいよ」
俺がそう告げたタイミングで、ガラリ、と引き戸が開いて暖簾の向こうから数人の客が出てきた。
「あ」
_____
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たいやき(プロフ) - 藤北目当てで読んだのに、『春』が１番好きで、何度も読み返しています！！あまり玉ガヤのBLは意外と読んだことがなかったので新鮮だったのと、『春』の藤ヶ谷くんがどたいぷすぎました。これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 1時) (
レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - まきさん» コメント頂いていたのにお返事遅れてしまい大変申し訳ありません(*_*)！ 短編の方で思いついた時にでも書いていこうかと思っておりますので、是非楽しみにしていただけると嬉しいです！コメントありがとうございました！ (2018年10月22日 17時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。以前に一回読んで、また読みたくなってしまい、読み返しました。とてもかわいい藤ヶ谷さんを見れて、楽しく読ませて頂いてます。『春』の続編を勝手ながら期待しております。 (2018年9月19日 11時) (レス) id: 0555875bff (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます！私の中で藤ヶ谷さんは受けだと思っていて笑 北藤、玉ガヤ大好きなんです笑 そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
魚(プロフ) - わたリンさん» コメントありがとうございます！お返事遅れてしまい大変申し訳ありません( ；∀；)！春の続編いつか書きたいと思っておりますので、楽しみにしていてください！ (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魚
| 作成日時：2018年4月16日 21時
