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「そこらへんのカプセルホテルにでも泊まるわ」

「ホテルの前でわざわざ降ろすのもめんどくせえ」

「じゃあここで良い、歩いて行く」

「ここどこだと思ってんの?オフィス街だぞ?」

「・・・会社に戻る」

「ふざけんな。それが1番めんどくせえわ」

「じゃあ俺にどうしろって言うんだよ!」

「わーきゃー車のなかで騒ぐな!降ろすぞ!」

「降ろせよ!!」


全て北山に委ねられてる今、俺は駄々をこねる子供でしかない。


「俺んとこ、泊まれば」


んん??
今、何て仰有いました?


「誰が?」

「お前が」

「何処に?」

「俺の家に」


・・・こいつ遂に頭がおかしくなった?


「冗談言っても笑えねえから、次の赤信号で降ろして。タクシー何とかして捕まえるから」

「冗談じゃねえ。それが1番の解決方法だわ。そうしようぜ。はい、決定」


左折のウィンカーを出すと、北山は俺の住所が示されていたナビを消した。


「俺、殺される?」

「何でだよ」


怖い。こんなに北山が優しいのが怖い。
俺は睡眠薬でも飲まされて東京湾に沈められるのだろうか。遺書書いとけば良かった。聖なる夜に、俺はあの世に出迎えられるらしい。

グッバイ、クリスマス。
グッバイ、地球。


「お前なんか変なこと考えてるだろ」

「俺、誰にも知られず東京湾に沈められるんだな」

「は?何のことだよ」

「どうせなら孫の顔、親に見せたかったなあ」

「なに?仕事のし過ぎで頭のなかで過労死シチュでもしてんの?」


北山の言葉が右から左へと抜けていく。
窓の外にぼんやりと目を向けると、どこか街全体がきらきら輝いて見えた。

車のことなんかちっとも詳しくないが、高い車だと言うのは分かる。心地よい温度とふかふかの座席に身を委ねると、どっと眠気が襲ってきた。


もうどうにでもなれ。


何で俺はクリスマスの夜にこいつなんかといるんだ。


逃した終電。
お前を今日ほど恨んだことはない。


瞼を閉じると、あっという間に俺は意識を手放した。

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たいやき(プロフ) - 藤北目当てで読んだのに、『春』が1番好きで、何度も読み返しています!!あまり玉ガヤのBLは意外と読んだことがなかったので新鮮だったのと、『春』の藤ヶ谷くんがどたいぷすぎました。これからも頑張ってください! (2019年10月13日 1時) (レス) id: 2edd79c1bf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まきさん» コメント頂いていたのにお返事遅れてしまい大変申し訳ありません(*_*)! 短編の方で思いついた時にでも書いていこうかと思っておりますので、是非楽しみにしていただけると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2018年10月22日 17時) (レス) id: 05aff8376d (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 初めてコメントさせて頂きます。以前に一回読んで、また読みたくなってしまい、読み返しました。とてもかわいい藤ヶ谷さんを見れて、楽しく読ませて頂いてます。『春』の続編を勝手ながら期待しております。 (2018年9月19日 11時) (レス) id: 0555875bff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 白雪さん» コメントありがとうございます!私の中で藤ヶ谷さんは受けだと思っていて笑 北藤、玉ガヤ大好きなんです笑 そう言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - わたリンさん» コメントありがとうございます!お返事遅れてしまい大変申し訳ありません( ;∀;)!春の続編いつか書きたいと思っておりますので、楽しみにしていてください! (2018年8月5日 13時) (レス) id: 99aac380a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年4月16日 21時

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