失いたくないから (ページ15)

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翌朝、教室に着くともうすでにいつもとは違うわくわく感が室内に漂っていた。

まあ、こんなに薄情な私でさえ楽しみにしているのだから当然だ。

それから朝のSTで先生からこのあとの流れの連絡がされた。

これから体操服に着替えて、運動場で集合といった短時間で済むものだったけど、みんなはもう先生の話も耳に入っていないくらいに思えた。

着替えている間、結構私に話しかけてくれる子がせっかくの体育祭なんだからおめかししないとなんて言って私の髪をセットしてくれた。

似合ってるのかは分からなかったけど、満足そうな顔をされたから多分醜い姿にはなっていないと思う。

［よし！Aちゃん行こう！私と髪型おそろだからね。勝手に変えないでね！］

そうか。私はこんな感じの髪型になっているのかと納得した。

JK感が溢れていたけど、そこまで派手ではないから可愛いと思った。

『髪のセット、ありがとね。大丈夫変えないよ。』

［ふふふ。やっぱり私Aちゃんのこと好きだわ。］

急にそんなこと言われてもなんて返せばいいのかが分からないからありがとうとだけは伝えたけど、本当は私はそんないい人じゃないし、好きになられるほどの魅力もないと言いたかったけど、そう言うのは少し勇気が必要だったから言えなかった。