ガラスの靴が窮屈で【NJ】

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少し前から会社での立場が悪くなり、職場が居心地の悪いものになった。

彼氏だった男は違う部署で、浮気相手の女は私と同じ部署で働く同期だった。


その女は浮気がバレると、先手をとるように会社でしくしくとわざとらしく泣き、

彼氏を私に取られていたと周りに伝えた。



そこから仲良くしていた先輩も後輩も、他の同期も浮気女も、冷たい視線を隠しもせず雑務を全て私に押し付けてきて、


人の仕事まで押し付けられ残業続きだった私は、

会社のビッグプロジェクトに参加はしていたものの、プロジェクト成功を祝うパーティーには顔を出せそうになかった。



プロジェクトメンバーだった人たちが、仕事を早めに切り上げてうきうきとパーティー会場となるホテルに向かうのを横目に、私は今日終わらすべき仕事を進める。



キリのいい所まで進め、まだ残る仕事の書類に手を伸ばそうとした時、

上司から急いでパーティーに来いと電話越しに怒鳴られ、一方的に通話を切られた。



会社の更衣室のロッカーから、今日一日入れっぱなしだったドレスと靴を取り出し身につける。



ここ最近は毎日残業をしていたから行けるとは思っていなかった、

それでもプロジェクトメンバーだからと理由をつけて、


一応、念の為、一式そろえて持って来ていただけ。



この時間から美容院に行く時間も、元気もなく、


更衣室に置かれた姿見鏡を見ながら、

コードレスの小さなコテで髪を巻いて、

メイクを直してるなんて、会社の人は誰も知らない。

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