ガラスの靴が窮屈で【NJ】

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鍵が開いた音がしてすぐ、
自動ドアのようにドアが開いた部屋の中には、

ドアノブに手をかけ、「遅いよ…」って眉を下げて笑うナムジュン。



『私もう、付き合ってない人とはしないって決めてる…』


NJ「気が合うね、俺もだよ」


『今からするってことは、私と付き合うってことだよ』



チラッとナムジュン越しに見えたのは、ベッドサイドテーブルの上に置かれたゴムの箱。



NJ「こんなに準備万端な彼氏、いらない？」



返事をする前に少し強引に引き寄せられ、荒っぽく唇を合わせた。



そのまま器用に軽々と私を持ち上げたナムジュンが、ベッドへゆっくりと降ろし、


足元の方に腰をかけ、片足ずつパンプスと浅履きの靴下を脱がせて優しく床に置いてくれて、



ナムジュンは脛や足の甲を指先で撫でてから、左足を持ち上げてつま先にキスをした。


唇がついた感触のあとに、足の人差し指が湿り空気にさらされて冷たく感じたのは、……気のせいだと思う。



そのまま、流れるように自然な動きで上に跨ってきて、

両手をつくナムジュンの姿は、何故か見覚えがあって、


薄暗い部屋で、何度も確認の言葉を投げかけられるのを、あの日夢で見た気がする。



私を撫でる指先も、私を呼ぶ声も、

どれも優しくて、凄く贅沢な、幸せな夢だと思ったけど、どうやらあれは夢ではなかったらしい。

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