第6話 ページ6
集中し始めたユミアさんは、どう変わったかは分からないがとても神聖な雰囲気を纏っていた。
「ここに願うは主による祝福、ブレス!」
ユミアさんが目を開けてそう口に出して唱えると、彼女の周囲に光の球がいくつも現れた。その光球がゆっくりと水に溶けるように吸い込まれていった。それで儀式が終了したらしく彼女の纏っていた神聖な雰囲気が消えた。そしてユミアさんは振り返って微笑むと、その光景に見惚れていた僕と和奏さんにその杯を差し出した。
「これでこのお水は祝福され聖水となりました。あとはお二人に聖水を飲んでいただければ洗礼終了です。あ、でも一応身体に害がないことを証明するために私が飲んでみせますね?」
「うん。なんかごめんね。」
「ユミアさんのことは信用するけどまだ僕達この世界について何も知らないからね……悪いけどお願いするよ。」
「はい。おまかせ下さい。」
そう言うが早いか、ユミアさんは二つの杯から一口ずつ飲んでみせた。
「の、飲んでみせるとは言ったけど直接なの!?」
すると、和奏さんが素っ頓狂な声を上げた。
「えっと……何か問題でもありました?」
ユミアさんが小首を傾げながら聞き返すと、和奏さんは顔を真っ赤にしてモジモジしていた。
「だ、だって私は女同士だから気にしないけど……ユ、ユミアは癒歌君が……か、関節キスすることになるんだよ?」
「へ?……あっ!!」
和奏さんに言われたことを理解して、恥ずかしくなったのか先程まで神聖な雰囲気を纏っていた人と同一人物とは思えないほどアワアワしながら耳の先まで真っ赤になるユミアさん。ちょっと肩身が狭い気がするがここは僕が気にしなければいい話だ。多分。
「えっと……僕は気にしないから二人も考えないようにしない?」
今日が初対面とはいえ改めてユミアさんの容姿を見ると、腰までは届かないが背中まで伸びた長いプラチナブロンドの綺麗な髪に、憶測でしかないが僕らと同年代にしては育ちすぎていると言わざるを得ない程に成長している胸部は本来多少の膨らみは隠してしまう筈の修道服を押し上げている。しかしそれがアンバランスにならない程スタイルも良く、目は夜空のような藍色で顔立ちも整っている。正直日本基準で言えば二次元と勝負できる超絶美少女と言えるだろう。つまり、一般的に二次元オタクに分類される健全な男子高校生が本当に関節キスを気にしないかと言われると女性経験がよっぽど豊富出ない限りありえない……と思う。
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作者名:めがねとかがみ | 作成日時:2021年9月17日 1時