第11話 ページ11
「これが僕のステータスカード……」
僕が手渡されたカードは元の世界でよくあるカードゲームのサイズと同じくらいで、質感は硬く金属のようだけど不思議と重い訳でもない。そして不思議な波紋のような柄が刻まれていて、綺麗な白色だった。
「……あれ?どうやってステータスを見るんですか?」
「なぬ?」
僕がそう言うと、和奏さん以外の周囲の人達は訳がわからないといった表情でポカンとしていた。
「そうか、お主達は魔法の存在しない世界から来たんじゃったの。すまぬ、そこまで配慮が回っていなかった。」
いち早く立ち直った国王様は懐から何かを取り出すと僕たちに見せてくれた。
「これが余のステータスカードじゃ。ステータスカードは色によって冒険者としての階級が判別できるんじゃが、こうして持ち主が魔力を流すと……」
国王様が取り出したのは、僕が今持っている白いカードではなく紫色のカードだった。そして片手でカードを僕達の目の前に差し出した次の瞬間、国王様のステータスカードは淡い紫色に光り、国王様の名前や各ステータスが浮かび上がってきた。
「光った……」
「光ったね……」
「この通り余の冒険者ランクであるAランクを示す紫色の光りを放ち、その後にステータスカードに書き込まれている情報が見れるというわけじゃ。それとカードの色はランクが上がるごとに冒険者ギルドで更新される仕組みになっておる。」
「なるほど。あ、冒険者のランクは何階級くらいあるんですか?」
「それについては私めが説明致しましょう。」
そう言ってクライスさんは手帳をどこからか取り出すと、少し書き込んでからそのページを見せてくれた。手帳にはOという文字から下に英語が並び、その横に色を表す文字が書き込まれていた。
「このように冒険者ランクは基本的には上からS、A、B、C、D、E、見習の7段階があります。また、ランクオーバー。即ちSランクでも計り知れないとされる冒険者には特例としてOランクが与えられます。」
それを聞いた和奏さんは、何かに気付いたように顔を上げるとクライスさんに質問をした。
「そのOランクの人達がいれば勇者なんて要らないってことは無いんですか?」
「確かにOランクは冒険者ギルドの長い歴史上でも両手で数えるほどしか居ない程の強者です。歴代の勇者もほとんどがSランクだったと聞いているのでその強さは計り知れないでしょう。ですが、残念ながら今現在自由に連絡の取れるOランク冒険者は居ないのです。」
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作者名:めがねとかがみ | 作成日時:2021年9月17日 1時