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とある隊士の誕生譚7 ページ7

鼻をくすぐる良い香りに目を覚ます。
そして寝ぼけた目を擦りながら起き上がる。

「お、起きたね。」
「はい……気絶してたんですね僕。」
「ま、全集中之呼吸を会得してすぐにあんな長い時間身体を酷使したんだ。なんの反動も無い方がおかしいさ。僕だって最初は全身痛みに苛まれたからね。だから気にしないでいいよ。」

 一瞬俯いた僕の考えを見抜いたように微笑みながらそんなことを言う青波さん。

「あの、僕どれくらい気絶してました?」
「ん〜半日くらいかな。もう朝だよ。」
「そうですか……」

 思ったより長く気絶していたらしい。

「まあ少し休んだら身体がなまらないように基礎の鍛錬だけでもやっておくと良いよ。さ、朝食は出来ているから食べようか。」
「はい。」

 そして朝食を食べ終え、お茶を飲んで休んでいると、青波さんのもとに鴉が飛んで来た。

「カァー!南の街に鬼の犯行と思われる事件発生ー付近の隊士は調査するべしー!」

 鬼殺隊本部からの連絡だった。

「うーん仕方無いか。眼鏡、今日は一人で鍛錬しててもらえるかい?」
「了解です。」

 その後自分の日輪刀を手にした青波さんは山を降りて調査に向かって行った。

「さて、鍛錬を始めましょうか。」

 誰に言う訳でもなくそう呟く。木刀と念の為の真剣を抱え、鍛錬場に向かう。

 鍛錬場で素振りをしていると、いきなり青波さんが戻って来た。

「眼鏡〜言い忘れていたんだけどね、もしかしたら君は新しい型の方が合うのかも知れないんだ。だから型に縛られず感覚のままに振ってみるのもありだと思うよ。」
「新しい型、ですか……ところで調査の方はどうだったのでしょうか?」
「実はね、大体特定できたんだ。起きた事件ってのがね、特定の路地裏を通った人しか襲っていないんだ。」
「なるほど。それで夜にまた向かうということですね?」
「うん。そのつもり。」
「では一度戻り夕食の下ごしらえをしておきます。その後何かしらの取っ掛かりがつかめたら新しい型についても相談します。」
「じゃあお願いしようかな。」

 青波さんの返事を聞いた僕は、木刀を地面に突き立て、真剣を片手に全集中之呼吸を使いながら疾走する。

「もう走るだけなら使いこなせるのか。」

 そして軽く息を整え、下ごしらえを始める。
そして必要な作業を終えると、再び疾走する。

「お疲れ様。じゃあ行ってくるよ。」
「はい。」

 青波さんを見送った僕は少し休んだ後、
素振りを再開するのだった。

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作者名:めがねとかがみ | 作成日時:2020年8月5日 18時

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