孤独な隊士の昔話 (ページ4)

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とある隊士の誕生譚4 ページ4

青波さんの説明を簡単に言うとこうだ。呼吸は人間が鬼の如き強さを出すための技術の事。
そして鬼を切るためには全集中と呼ばれる呼吸が必須。
　これとは別に剣技の型である呼吸があり、青波さんは水の呼吸の使い手だそうだ。
さらに剣技の型の呼吸は何種類もあるらしい。
　次に入隊試験については、７日間鬼を藤の花で閉じ込めた山で生き残れば良いというものだそうだ。

「だいたい分かったかな？」
「はい。」
「じゃあ体調が完全に戻ったら
　修行を始めようか。」
「よろしくお願いします。」

青波さんが部屋を出た。
　その後しばらく軽食を食べていると桃山さんが入ってきた。

「青波さんから聞きました。
　鬼殺隊に入るんですよね？」
「ええ。もっとも、まずは入隊試験で受かるだけの実力を身に着けなければなりませんが。」
「そうですね。なら隊士の先輩として
　一つ助言しますね。」
「！！ありがとうございます。」
「ふふっ……意外でしたか？」
「あ、スミマセン……。」

どうやら顔に出ていたようだ。
気をつけなければ。

「良いんですよ。あ、でも柱ほどの実力者にも女性はいるので驚くのは早かったと思いますよ。私が言える事は鬼は日光によって燃えてしまうのでできる限り東にいると良いですよ。」
「……なるほど、日が昇る方角ですね。
　教えていただきありがとうございました。」
「いえいえ。頑張って下さいね!」
「はい。必ず期待に応えてみせますよ。」
「ふふっ。約束ですよ?鏡音さん。」
「ええ。」
「では、また明日お伺いしますね。
　おやすみなさい。」
「おやすみなさい。」

　そうして桃山さんも僕の食べ終わった食器を片手にへやから出て行った。
　しかし一分も経たない間にパタパタと足音がして、桃山さんが戻ってきた。

「聞き忘れてました。
　軽食のおにぎりとお茶どうでした？」
「程よい塩加減と具材が二つともたっぷり詰まっていてとても美味しかったです。お茶も熱すぎず冷めすぎずでしたし、実家で飲んでいたやつよりも少し香りが強かったような気がしますね。淹れ方にコツでもあるんですか？」
「褒め過ぎですよ。でも嬉しいです。確かにおにぎりはこだわってますがお茶は茶葉が良いだけです。まあ褒めてもらえるのは悪い気はしませんね。では、今度こそおやすみなさい。」
「はい。おやすみなさい。」

　そんな会話を交わした後、
桃山さんは部屋を出た。

早く、呼吸を身に着けれるよう頑張らないと。