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魔王様への質問 ページ9

「さて……これで聞きたいことは聞き終わったが……どうしたものか。」

 質問は終わったが僕のもたらした情報について悩み始めてる様子の魔王様。でも僕だって知りたい事があるのだ。話しかけたら殺されるとかいう理不尽なことが無いことを祈って頭を抱えている魔王様に声をかける。

「あの、お悩み中のところ申し訳無いのですが僕にも質問をさせてもらえませんか?」
「ッ……貴様!人族の分際で……」
「よい。続けろ。」

 魔王様、家臣の方が鬼の形相で睨みつけてくるのですが……うぅ、怖ぇ……

「……まず、ここは魔族の領地で、あなた方が魔族、ということであってますか?」
「いかにも。」
「異世界からやってきたばかりでまだ何も事情とかは知らないんですけど、何故人族と魔族は争っているのでしょうか?それとこれは興味本位ですが、他に種族はいるのですか?」

 魔王様は少し驚いた感じに目を少〜しだけ見開いた後、ゆっくりと答え始めた。

「人族と魔族の争いについては話すと長い。よって先に他種族の事について答えよう。まず、この世界についてどれくらい知っている?」
「魔法があって、人族と魔族が長い間争いをしているということぐらいです。」
「ふむ。では当たり前の話からだな。まずこの世界には大まかに言えば4種族が存在する。私達生まれたときから魔力に優れた魔族、貴様ら人族、他種族とは深く関わろうとはせず、争いを嫌うがゆえか、仙術と呼ばれる自然の力を扱えるエルフ族。そして体の一部が獣の獣人族。多くは耳だが例外もいる。こ奴らは身体能力が高いのが多く好戦的で競技的な強さを求める者がほとんどだ。ここまではいいか?」
「はい。」
「そしてこの4種族はこの世界に存在する2つの大陸にそれぞれ生活圏を形成している。人族と魔族の住む文明の発展したこのアフト大陸。獣人族とエルフ族が住む自然豊かなナユル大陸。人族と魔族の争いが起こったのはお互いの文明が発展し、国を作り出してからの話だ。これが約5千年前。それ以降何百年に一度ぐらいの頻度で人族と魔族は小競り合いを繰り返している。その争いでお互いいくつかの集落や村が焼かれ、お互いに復讐が連鎖し、今に至る。そして歴史上最も大規模な争いが約450年前の争いだ。この争いで人族に勇者が、魔族に歴代最強の魔王が現れた。そして、長い争いの末、勇者によって最強の魔王は討たれた。」

 ……どうやら人族と魔族の因縁はかなり根深いらしいぞ?僕は……生きて帰れるかな?

昔話の感想は……→←目が覚めたけれど……



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作者名:めがねとかがみ | 作成日時:2020年9月15日 23時

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