魔王の勇者 (ページ18)

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成果と悪戯ページ18

あれから一週間が経った。僕の剣術スキルのレベルはまだ上がってないがそれとなく普通の魔族や人族がどれくらいでスキルのレベルが上がるか聞いてみたところ、人によるがどんなに剣を振ったり戦い続けても最短で一ヶ月はかかるらしい。剣術スキルを手に入れてから毎日棒を振って、その後筋トレを少しずつするようにした。すると日に日に筋力値が上昇し、スキルを発動させた時の補正も分かるようになった。

「四百九十九！五百！……ハァ……ハァ……よし、今日のノルマ達成！一週間前が百回で限界だったから大分成長してるのかな？本当に成長速度が早い……パッシブスキル様々だなぁ。」
「今日も頑張ってますね、流真さん。」

　突然後ろから声がかけられる。

「あ、レナさん。いらっしゃい。」
「今日のノルマ達成ですか？お疲れ様です。」
「まあ強くなるためですから。この世界は自分のちょっとした努力が分かりやすく見えるので楽しくもありますし。」
「なるほど。それにしても驚かなくなりましたね〜初めて後ろから声をかけた時はあんなにも驚いてくださったのに……」

　わざとらしく頬に右手を当てながら残念そうな声を出すレナさん。美人がやるととても絵になる。

「そりゃあ汗を拭くためとはいえ上半身裸だった時にいきなり話しかけられたら驚きますって……。」
「そういえばそんなこともありましたね〜。特にこれといった特徴の無い身体でしたけど少しはマシになりましたか？」
「たかが一週間でそんな変わるものじゃ無いと思いますけどね。」
「あら残念♪」

　何故か分からないけどレナさんは棒を振り始めて三日目ぐらいからたまに僕の部屋に侵入して不意に話しかけて来るようになった。

「そういえばなんでレナさんは僕の部屋に来るようになったんですか？」
「まあ特に聞かれなかったから話さなかっただけで口止めもされて無いので話しますよ〜。ぶっちゃけると魔王様からたまにでいいから貴方の様子を見て来いっていう命令というかお願いされまして。なので役割を果たしつつ流真さんの事をからかえそうならからかって息抜きでもしようかなと。」
「えぇ……魔王様の下りは良いんですけどからかって息抜きって……流石に酷くないですか？」
「普段から普通のお仕事に加えて魔王様のお願いも聞いてる私にこれくらいのご褒美があっても良いかなと。」
「もう良いですよ……。」

　レナさん悪い人じゃないから責める気も失せる。この人はもう放っておくしかないのかな？