流川クンと流川サン【流川楓】 (ページ8)

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やっぱり私はクソ野郎ページ8

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でも私がいいのは上辺だけ、他人が見ている場面でだけそう演じているだけ。

見ての通り、性根は腐りきった醜女そのものだ。

自分の容姿を鼻にかけてるし、先生のことだって簡単に騙されて単純だなと思ってるし、人に頼られるのだって本当は好きじゃない

それに加えて、自分の気持ち優先で、それで他人が傷付こうと罪悪感すら抱かなくなってしまった。

流川はこんな私の姿も知っているのに、何で好きなんだろう。

やっぱり外ヅラいいのに引っかかっちゃうのかな、男の人って

流川はモテるし、バスケも上手いらしいし、なんかもったいない

こんな悪魔みたいな女に好意という感情を支配されているなんて。

『流川、そろそろ撫でるのやめていい？』

ふと私がそう呟くと、重々しそうに流川の頭が持ち上がる。

「……いつから気づいてやっがた」

『触ったとき耳がピクってなってたときから』

「チッ、最初からじゃねーかド阿呆」

私の対応と寝起きなのも相まって、いつもより機嫌の悪い流川は荒々しく私の手を引いた。

私の頭に自身の手を回し、彼の長い前髪が私の顔をくすぐったとき

__プルルルッ

2人の仲を引き裂くように、私のスマホの着信音が静かな教室に響き渡った。

流川に見えないようにスマホの指紋認証をタップすると、ディスプレイには私が今も昔もずっと大好きな幼馴染の名前が浮かび上がる。

自然とほころぶ私の頬

「誰だ」

何かを察したように流川が私にそう問うた

『好きな人から』

わざわざ言って嫉妬させるようなことしてもお互いに無意味だとは思ったが、

彼には私の想いが他にあるのだと示したいという正直自身には何の得もないような説明し難い感情が作用して、敢えて私はそう言った。

何だか私らしくない

常に損得感情で動いている私がこんなことするなんて。

あ、もしかしてアレ？

流川の反応を見て楽しもうとしてる？流川が私に夢中なのを再確認して承認欲求を満たそうとしてるの？

…はは、ほんとクソ野郎だなぁ私って。

私は流川を一瞥することもなく、彼の返答を聞くこともなく、その場を後にした

鳴り続ける着信音に導かれながら。

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