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「樹くんはランペっていうチームだから。そのチーム…っていうかグループにいる限り、他のメンバーの人生も一緒に背負ってる」
「…だから？」
「樹くんだけの人生じゃないんだもん」ほとんど泣きながらそう口にしていた。
「俺らのことにメンバーは関係ないでしょ」彼のその言葉に、言いたいことが伝わっていないのだと半ば絶望感にも似た悲しさともどかしさを覚える。
「関係あるよ。」
「ない、全然関係ない」
「あるってば…！」
「なんで？俺とAの話でしょ、今は」
「でもメンバーってそういうものだもん。誰より責任持たなきゃいけない人だし、人生の中のたくさんの部分を共有することになるから。一緒にいろんなこと乗り越えて、悲しいことも辛いことも共有して、もうほとんど家族みたいなものだし、家族よりもっとどこか強いとこで繋がってる」
「……」
「ランペが全てだってメンバーがいるなら、樹くんも同じ熱量で向き合わないと、いつかグループが歪んで、上手くいかなくなる。…私みたいに。」
「…私みたいにって…」
「伶菜さんがいつも言ってた。歌うことやめたら本当に帰る場所がないって、高校も中退してるから歌うことしか私にはないんだって。それをいつも聞いてたから、私も同じようにグループに向き合えてた」
「……」
「でもいつからか作り笑いに疲れて、昔みたいに真っ直ぐ直向きにグループに向き合えなくなって、結局やめる道を選んだけど」
「でもそれは」
「女の子と男の子は違うし、樹くんのグループがどんなふうに団結してどんなふうに辛いこと乗り越えたかはよく知らない…でも、ランペに人生かけてるって人がいるんなら、ランペに一生とれない傷をつけてしまうかもしれないこの関係を続けられない…」
「なんで、」
「きっと大丈夫って笑いとばせるほど私の心は強くないし、この世界にずっといたからこそ…やめた方がいいって思っちゃう」
しばらく沈黙が部屋を支配した。
肩を掴んでいた彼の手から徐々に力が抜けていくのが辛かった。
外で私たちを責め立てるように降り続ける雨の音を聴いていると、「…なんでそんな風に考えられんの」不意にまた、彼がポツリと呟く。冷たい声で
「…そんな風って？」
「立場とかファンのこととか、責任とか。…なんで自分の気持ちより優先させられんの？」
「……」
分からない、と呟くと、彼は完全に私から手を離した。
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みみ - 定期的に読み返しています！大好きな作品で続きが気になって仕方ありません！ (2022年5月14日 1時) (
レス) @page18 id: c42b45f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - 読ませていただいてます。 (2022年4月30日 13時) (レス) id: 6e3ccbc5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 大好きな作品です！！！！何度も読み返しております。 (2022年4月30日 2時) (レス) @page18 id: ff889105d6 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 何回も読み返しています。更新待ってます。 (2022年1月18日 4時) (レス) id: 07e857a9fb (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - きっと2人とも今すごく辛い状況にいて好きだという気持ちだけではどうにもならない世界が本当に苦しいですが、とにかく2人がこのあと2人の正解をしっかり導き出せることを祈ってます。 (2020年7月16日 21時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2020年7月3日 21時
