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「感情を隠して生きるのが普通で、それが良いことだって今まで生きてきて、こういう人間関係も、自分も含めて誰かを傷つけるくらいならなかったことにした方が良いって、結局Aはそういうふうに考えちゃうんだよ」
「最初からなかったことにする？ってこと？」
「そう、そうやって楽な方を選ぶ」
「…そうやってお前が言ったわけ？Aに？」
「うん、まあ」
「……それは…A傷ついただろーな」
それは俺も後悔したけど、と言い訳のように付け加えてから続けた。
「俺が言いたいのはそういうことじゃなくて、…ちょっとショックだったんだよ」
「何が？」
「Aは、自分の中の何かを変えてまで俺と一緒にいる必要はないって思ったんだなって。」
「……あー…」
「誰かに言われたくらいで、建前並べて、もう別れようって俺に言ってなかったことに出来るとか、Aの中の俺ってそんだけだったってことじゃん？」
早口で吐き出した言葉を脳内で呑み込むには時間がかかったのか、翔平は目をパチパチさせながら何度か頷いてようやく納得した表情になる。
「俺といるために…、その、何かを変えようとか、自分でもっと行動して、出来る限りのことをして、それでもやっぱり駄目だから別れようって…それだったら俺も仕方ないねってなるけどさ」
「…んー…」
「例えばマネージャーに何回も頼むとかさ、本当の気持ちを自分じゃない誰かに打ち明けて説得して、それでもダメで…ってなったとか。でもさ…違うんだよ」
俺にも誰にも言わないまま、1人で考えて、悩んで、答えにたどり着いたからとそれを押し付けてくる。
「傷つきたくないのは当然じゃねぇの」
特にAはさ、と翔平は言った。
「傷つきたくない気持ちはすごくよく分かるよ…でも結局自分が安全でいられる場所にとどまってるだけだし、それなのに気持ちだけは俺が汲み取らなきゃいけなくて、それってなんか違うなって思うし」
「……」
「Aがそこまでして守りたいものって何？って思う。自分が安心してダンスだけしてられる場所なのか、自分のファンなのか、今まで頑張ってきた自分なのか、そこがよく分かんない」
そこまで一息に喋って喉が猛烈に乾き、
ペットボトルを掴んで一気にあおった。
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みみ - 定期的に読み返しています！大好きな作品で続きが気になって仕方ありません！ (2022年5月14日 1時) (
レス) @page18 id: c42b45f5d9 (このIDを非表示/違反報告)
るか(プロフ) - 読ませていただいてます。 (2022年4月30日 13時) (レス) id: 6e3ccbc5ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 大好きな作品です！！！！何度も読み返しております。 (2022年4月30日 2時) (レス) @page18 id: ff889105d6 (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - 何回も読み返しています。更新待ってます。 (2022年1月18日 4時) (レス) id: 07e857a9fb (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - きっと2人とも今すごく辛い状況にいて好きだという気持ちだけではどうにもならない世界が本当に苦しいですが、とにかく2人がこのあと2人の正解をしっかり導き出せることを祈ってます。 (2020年7月16日 21時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2020年7月3日 21時
