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長かった放送が終わって、メンバーは部屋にだんだん戻っていく。
「次俺らは出演者側だから」「絶対、」「来年出たい」「気が早いわ、お前は」「メリークリスマス！」楽しげに「メリークリスマス！！」「声でけぇよ」
悶々とした気持ちを抱えたまま、彼女とのトーク画面を開いた。
昨日送ったメッセージ『誕生日おめでとう』まだ読まれてない。
昨日のだけじゃなくて、その前も、さらにその前も、あの夏の日キスしてから送ったやつは全部、読まれてない。
ため息をついて、『なんで無視すんの』打ち込んで、消した。
「…いっちゃん、恋しとるんやね」
隣に座ったままだった翔吾さんが唐突に言った言葉に、何も言い返せなかった。
「…なんでですか？」「ずっとため息ばっか」「……あー…」「せっかくのイケメンが台無しやねん」分かってたはずだけど
「…正直…今しんどいです…」
ポツリ、と本音がもれて、翔吾さんに言っても意味ないのにとか思いながら、気持ちを吐き出した。
言ってから気づいた
たぶん自分で思っていたよりもこの気持ちは大きくなっていて、抑えつけるのにも疲れるくらい大きくて、
誰でもいいから吐き出したかったんだって気がついた。
翔吾さんの手が背中をなでた。
子供扱い、されるのは嫌だけど、今はひどく居心地が良かった。
「…この前会ったんよ」
「…誰にですか？」
「Aちゃん」
しん、としたリビングに響いた。
チカチカと白い光が点滅するクリスマスツリーを見ながら、言い表せないような感情がこみあげた。
「たぶん悩んでるのはいっちゃんだけやない」
「……どういう意味、」
「Aちゃんもいっちゃんのことで悩んで苦しんでる」
翔吾さんの顔を見ると相変わらず優しい笑みを浮かべて、まっすぐに見てた。
「いっちゃんに会いたいけど、どうすればいいのか分からんって」
「ほんと…ですか…？」
「電話してみ」
「出ないんです、ずっと…」
「たぶん出ると思うわ、今なら」
立ち上がった。
それから部屋に戻って、彼女に電話をかけた。
出て、お願いだから出て、と心の中ではやる気持ちを抑えて長いこと待ったけど出なかった。
ため息をついてからメッセージを送った。
『出てよ』
ベッドに腰かけていることも辛くなるくらい胸が苦しくなり、立ち上がって部屋をぐるぐる歩き回ってからベッドに寝っ転がった。
「…出ろよ」
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
