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岩谷くんが申し訳ないというかいたたまれないような表情でじっとこちらの様子をうかがっていた。
空気と同じくらい、心が冷えた。
「樹が悩んでんの知っててそう言うこと言うわけ？お前は」
「…知らないよ、そんなの…」
「は？キスしたんだろ、」
なんで知ってんの、とは思わなかった。
歩くスピードは落とさない。
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“『会わなければいいよ』”
“『樹くんに？』”
だってわたしは
きらきらしてていつも笑顔な
取り繕った自分で生きていかなきゃいけないんだから、
「…キスくらいで本気にならないでよ、面倒くさい」
こんなこと言える自分まだいたんだ
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翔平は絶句した。
立ち止まってかろうじて「…最低だよお前…」絞り出した声が翔平らしくない声だった。
「樹の気持ち考えろよ…！」振り切って走った。
お願いだから声が震えていることに気が付かないで。
「おいA！A！！」
後ろから咄嗟に翔平も走って追いかけてきたけど、点滅する緑に向かって走ったらわたしが道路の真ん中くらいで赤になった。
そのまま突っ切って道路を完全に渡ってから後ろを向くと、道路を挟んだ向こう側に呆然とした顔の翔平が見えた。
横の岩谷くんは、
「なんで…？」
感情の読めない瞳でじっとわたしを見つめていた。
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この道を選んだのは自分自身だから
なのに
この前、部屋で泣いたときと同じように涙がそっと頬を滑った。
あまりに冷たくて、涙も空気も心も何もかもが冷え切っていて、その場で声を押し殺して泣いた。
この苦しい気持ちは、一体どこから湧いてくるのだろう。
そしてこの気持ちはいつ消えるのだろう。
どこへ行くんだろう。
翔平に会っただけで、必死に抑えつけていた樹くんに会いたいって気持ちが溢れて、会いたくてたまらなくなってしまって、歩くのでさえ苦しいくらいに彼のことが好きで、でも、また、抑えつける。
事務所へのろのろと歩き、スタジオについて自分の顔を見るとひどい顔をしていた。
…いなくなりたい
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12-�� 涙のメリークリスマス→←11-�� 抑えつけても
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
