18-�� ページ41
.
彼の体温はあたたかく、隙間がないほどに抱き締めあうと、心臓の音が伝わるような気がした。
唇が触れ、離れてまた触れ、しばらく優しく柔らかな感触が唇に残り続けた。
何度も何度もつづくので、力を込めて閉じていた瞳をそっと開けると、当たり前だけど彼の顔が本当に近くにあって、まつげ長いなー…とかどうでもいいことを考えた。
すると気配を感じたのか、彼も瞳をゆっくりと開けた。ちゅ、という微かな音がして唇が離れ、彼は満足そうに微笑み、前に流れていた私の髪の毛をゆっくりと耳にかけた。
「…俺と…付き合ってくれる？」
「うん。」
「……あー…やばい…」
「…え？」
「付き合って…キスはもうしただろ…、俺らさ…」
「…うん。…え？」
「その先…進んでいいの…？」
翔平のさっきの言葉が思い浮かび、顔に熱が集まった。本当になるとは
目の前の彼は極めて真剣な顔で、誰よりも真っ直ぐに私を見てた。
「…嫌だったらやめる。けど俺…我慢できないかも…」
「…我慢…しなくていい…よ」
「……ほんとに？」
「…あの…初めてだから…」
「…優しくする。」
「…うん。」
「……いいの？」
「…うん」
頷いた途端に彼が再びくちびるを塞ぎ、背中に腕を回して強く抱き締められた。
彼は片方の腕でわたしの身体を支えて持ち上げて「…いま片腕ケガしてて使えないんだよな…」「…そうだったの？」「うん、」
片手で持ち上げるほど力強いなんて、男の人なんだな、とこの場にそぐわないことをぼんやり考えているうちに部屋の電気が落ち、「…ねえ」頬を撫でられ、冷たい指が触れる。
そしてそのままベッドにそっと下ろされると、彼のことしかもう見えなくて、顔が近づいてきて一瞬くちびるが触れた。
軽いキスを何度も何度も繰り返して、それから彼は掠れた声で「…口開けて」言われたとおりにすると、すぐにくちびるを塞がれて舌が絡んだ。
息苦しいのに、胸がいっぱいになるほど幸せで、何も考えられなかった。
くちびるが重なったまま、彼の手がそっと服をめくり、さらりと素肌をなでた。
「…怖い？」「……怖くない…」「無理してない？」「…ちょっと怖い…」なんでもお見通し「力抜いて」「……うん。」「ほんとに大丈夫？」「大丈夫」
彼が首にキスをおとした。くすぐったくて身を捩ると「…動かないで」低い声で囁かれて、動くのをやめてじっとした。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1362人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
