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「ごめんね…ごめんなさい…」
「…謝ってほしいわけじゃないんだけど」
「………、でも…」
「1mmも気持ちはなかった？」
「…分かんない。分かんないの、ほんとに…」
「……分かった。」
じゃあなんでそんな声震えてるの、とか
じゃあなんでそんな泣いてるの、とか
気づかないで。
「……でも俺の言葉は、全部、嘘じゃないから」
彼が小さく、でもはっきりとそう言った瞬間、今までの想いが逆上して胸にせり上がり、息が詰まりそうになった。
胸が塞がれたように苦しくなって、
声が出せなかった。
「A！どれだけ待たせてると思ってるの！？」
マネージャーがいらいらしてわたしのカバンを掴んで、手も引っ張って無理やり立たせる。
「…もう…切るね」
黙りこんだままの彼にそう言って、鼻をすすってから「ばいばい」それから、マネージャーに「ごめんなさい、今行きます」と言った瞬間、樹くんが声を発した。
「待って…待って、まだ」
痺れたようにじんじんとする足を引きずって、控室から出ようと一歩踏み出す。
「、もう移動なの」
「Aちゃん、待って、ほんとに、」
「樹くん…メリークリスマス、」
「まって、Aちゃん！A！A！！」
耐えきれなくて、電話を切った。
どんどん溢れる涙をぬぐって外に出ると、外は土砂降りの雨だった。
さっきまで晴れてたのにな、
大粒の雨がわたしの頭を打ち、頬を滑り、服をぬらした。
涙も雨も全部ごちゃごちゃに混ざって頭はとうとうおかしくなりそうだった。
空を見上げても、星なんて見えるわけなくて、わたしはただ瞳を閉じて雨に打たれた。
「Aなにやってんの！？風邪引くよ！」「いいんです…もうなんでも、」「さっきからおかしいよ？ほんとに早くして！」「行きたくない…」「…はい？」「行きたくない…行きたくない…！」「ちょ、っと、ちょっとA！？」
傘を持ったマネージャーが手招きする方と逆方向に走った。
この行動で何人に迷惑がかかるんだろうとか
そういうのはもはや思案の外だった。
樹くんがくれた言葉は全部、嘘も偽りもなにもなかったのに、わたしは何もあげられなかった。
自分が言ってしまった言葉が信じられなくて、申し訳なくて、ただ辛かった。
彼は今、どんな気持ちでいるのだろう。
雨に打たれて重くなった身体を引きずりながら、つい1週間前に岩谷くんに言われた言葉を思い出した。
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
