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「…嘘」
「嘘言いません」
「…うそ。、うそうそうそ！」
おおきな瞳がこぼれ落ちそうなくらい見開かれて、
「晴美さん落ち着いて…」
希はたぶん何かを察していて晴美さんをなだめた。
「なんで？やめるの？」
希は極めて穏やかに聞いた。
「もう決めたの」
そう言って前を見ると、ステージ上ではメンバー1人ひとりを自己紹介するラップを夏恋さんが歌っている。力強くて、かっこよくて、涙が出そうになった。
「……Flowerにはのこるから」
「え？そうなの？」
「うん。Flowerは…手放せないよ。」
「Flowerだけに残るって出来るの？」
「マネージャーは、分かった。って」
希はホッとしたように笑い、よく決めたね、と囁いた。奥の晴美さんはまだ呆然とした顔でこちらを見ている。
「なんで？E-girlsだけって、」
「…裏で皆を支えるほうが、自分には合ってると思うから。」
「なんで…、Aこんな人気なのに」
「Mr.Snowmanくらいからずっと考えてたんです。」
「それもう2年前…」
晴美さんが矢継ぎ早に、なんでという言葉を繰り返す。
淡々と答えられる自分は、少なくともあの日よりは、大人になっているのだと思う。
「振り付け考えるのが楽しかったんです。前に出るより、ずっと」
「……Aの振り確かにめっちゃ好きだけど…！でも」
「違う形で、E-girlsに貢献します。絶対」
「………決めたんだ、もう」
「はい。」
晴美さんが今度はものすごく真面目な顔でわたしの顔をじっと見つめた。
「…A、なんかスッキリした顔してる」
間にいる希がくすりと笑ってわたしの肩を叩く。
「樹くんのおかげかな？」
「え、違う、違うし！」
「樹くんっていうの好きな人？！」
「…いやその、違うんです！違います！」
HappinessのSexy Young Beautifulが終盤に差し掛かり、もうすぐ出番だとスタッフさんに促された。
瞳の奥の
伶菜さんのアカペラで始まる。
「何を見ているの？その瞳の奥にある
唐突にまた、こみあげて
涙がこぼれた。
人前で、彼の前以外で泣くなんてありえないと思っていたのに、涙はごく自然に、まるでそれが演出なのかのようにこぼれ落ちた。
「それでもわたし あなただけは信じられる…不思議なくらいに」
泣きながら、彼への想いをぶつけるように、届けと思いながら、おどった。
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蘭の花(プロフ) - ちょこちっぷさん» 嬉しいお言葉…ありがとうございます。私にとっても大事なこの作品が何か響いていたら幸いです(^^) (2020年3月25日 0時) (
レス) id: 517b3b5b29 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこちっぷ(プロフ) - 久々に占ツク開いて初めに読んだ作品がこれでよかったです。占ツクで沢山の作品を読んできて、泣いたのはこれが初めてです。この作品を読めて幸せです。 (2020年3月23日 0時) (レス) id: cf6328cb96 (このIDを非表示/違反報告)
Knnnnn(プロフ) - ガッツリ書いても全然大丈夫です！読みたいです！ (2019年11月3日 13時) (レス) id: 8d750d6dbf (このIDを非表示/違反報告)
cocona(プロフ) - 全然大丈夫です！！読みたいです！！！ (2019年11月3日 4時) (レス) id: 6508ac86aa (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - 書いて大丈夫です！！逆に書いて欲しいです！！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: c8d254b03b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2019年9月27日 19時
