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Aは昨日起こったその出来事を思い出しているのか、
ぎゅっと瞳をとじて俯いたまま何かを考えていた。
外では雪が降っていて、部屋の中の暖炉の火はあかあかと燃えている。
しかし、
Aがそこから立ち上がることはなかった……
横澤『…うわ…！』
松田『そうなのか…』
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☆
サヤカは、オオカミの着ぐるみを着た健太の前に立った。
そして口を開く。
サヤカ「健太くんですか？」
オオカミの頭が、コクリと上下した。
サヤカ「最初からずっと健太くんといる時間が楽しいなって思ってて。同い年ってこともあって、すごく話しやすかったし、ミステリアスなのかなって思っていたけれど、実際は面白くて…笑
健太くんと過ごした時間 全部が私の中で素敵な思い出になっています。」
さらさらと髪の毛が風に吹かれた。
サヤカ「昨日も言った通り…健太くんの気持ちは分かってる。でも、分かってるけど、伝えたかった…」
サヤカはぎこちなく微笑む。
サヤカ「オオカミじゃないって思うから、お願いします…」
そして、右手をすっと前に出した。
横澤『待って待って…、』
Ami『どっちー！？』
時折激しく吹く風。
びゅうびゅうと音を立てて、すべてを巻き込んでいく。
そして。
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健太は風船を持った手を伸ばすことなく…
横澤『…え…？！』
Ami『うそ、』
飯豊『待って待って…！』
パカン、とオオカミの頭を外した。
横澤『えー！！！』
Ami『オオカミじゃなかった…！？』
松田『待ってまじか…！』
健太は眩しそうな顔をしてサヤカを見ていた。
サヤカは「…そっか」と頷いて手を引っ込める。
健太「…俺はオオカミじゃないよ」
サヤカ「…うん。そうなんだ…」
健太「さーちゃんは年が同じで話しやすかったし、一緒にいて楽しかった」
サヤカ「…うん…」
健太「でも…ごめん…」
健太は顔を歪めてそう呟いた。
健太「俺には…他に大切に思う子がいるから……ごめん…」
サヤカは少し笑って頷く。
サヤカ「うん、それは分かってた」
健太「…ごめん。」
サヤカ「健太くんがオオカミじゃなくてよかった。笑 ありがとう」
健太「こちらこそありがとう」
健太はそう言って、笑みを浮かべないままくるりと踵を返した。
サヤカはその後ろ姿を、ただぼんやりと見つめていた……
横澤『健太…！』
Ami『ただ不器用なだけだったのかも…』
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雪(プロフ) - 完結本当におめでとうございます！もうずっと一途な壱馬くんに心臓ドキドキしぱっなしでした！蘭の花さんの文章力に尊敬でしかないです！今後も素晴らしい作品を期待してます！！ (2023年4月4日 23時) (
レス) id: a43bdecb77 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - ランぺ大好きです最高です北人君とRIKU君と壱馬君と翔吾君と樹君と慎君大好きです最高です完結おめでとうです (2020年9月24日 15時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - 一気見しました(^^;)脱落からのシンデレラタイムはもう号泣でした( ；；)私の中では健太だったので最後は衝撃でした(TT)なかなか自分の中で消化できず健太が忘れられません(笑)健太を選んだパターンも読みたいなと思いました。 (2020年9月5日 21時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)
愛(プロフ) - はじめまして。初めてコメントさせていただきます。蘭の花さんの作品大好きです！初めて読んだのが半年間のメランコリーでした。それからオオカミちゃんを読んで、オオカミちゃんの世界観から抜け出せず、数ヶ月経ちやっとオオカミくんを読みました。気付いたら朝で (2020年9月5日 21時) (レス) id: 0498cf0682 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 完結おめでとうです最高でした (2020年7月22日 16時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭の花
| 作成日時：2020年3月20日 18時
