【urt】海の中で捜し求めていたのは君だった (ページ8)

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七匹目ページ8

sideうらた

相手は彼女の仲間なのは確定だろう。

可哀想に、一人で夜道も歩かせてもらえないのか。

A「え！？敵襲でしょうか…？」

うらた「それはない。お前の知ってるヤツが」

うらた「来ただけだから安心しろ」

A「そ、それって…」

【バンッ！】

アデリー「やっと見つけた！そこで何をしてるの？」

やっぱりな、もうすぐ来ると思ってたぜ。

女は俺を見るなり、銃を構える。

A「ア、アデリーさん！？どうしてここに！？」

うらた「おい。今日はお前の相手をする気はねぇ」

うらた「俺の気が変わる前に早く失せろ」

アデリー「あら、釣れないのね。Aを攫って」

アデリー「タダで済むと思ってるの？」

彼女を攫うつもりはなかったが、帰りが遅いからウチの事務所を嗅ぎ回って来やがったな。

この業界は肝が据わってるヤツじゃないと生き残るのは難しい。

坂田が言ったように、彼女をオルカで雇いたい。

うらた「お前らの躾がちゃんと出来てねぇから」

うらた「簡単に外に出るんだろ。俺は優しいから」

うらた「まだ手は出してねぇぞ？良かったな？」

アデリー「くっ、Aを返しなさい」

アデリー「リーダーから大事に預かってるの」

アデリー「その子に何かあったら許さないわよ」

どの口が言ってんだ。

そんなに大事なら首輪でも付けてりゃいいのに。

うらた「なぁ、お前はペンギンに帰りたいか？」

A「え？それはどういう…？」

アデリー「戯言よ、聞き流しなさ…ッ！？」

【ガンッ！！】

うらた「てめぇに聞いてねぇんだよ。黙ってろ」

A「ちょ、今は抗争は禁止されますよね！？」

A「彼女に乱暴な真似しないでください」

うらた「ここは俺の城で乱暴すんのも俺の勝手だ」

うらた「質問に答えろ。帰りたいかここに居るか」

俺の視線で一瞬怯んだが、キッと睨まれた。

可愛い顔してる割には度胸があるのな。

A「帰ります。お邪魔しました」

A「あ、ごめんなさい。言い忘れてましたね」

【ガンッ！！ガンッ！！】

A「お返しです。昨日分と私の仲間に撃った分」

A「それに私は丸腰で外に出ないのでご安心を」

A「次は当てますから気を付けてくださいね？」

彼女は仲間と共に立ち去るのを動かずに見送ると、白いハンカチが落ちていた。

おそらく彼女が落とした物だろう。

うらた「気に入ったよA。次は絶対喰ってやる」

白いハンカチを拾い、大切に懐へ入れた。