三十七匹目 ページ38
あの様子だと、コウテイさんがうらたさんを殺しかねないと思ってフラつく身体を引きずって追いかけた。
息を潜めて静かに入ったのに、いつ気付かれたの？
コウテイ「無理してついて来たらダメでしょ」
コウテイ「まぁ、後は当人同士で解決しなさい」
呆れた様子のコウテイさんは肩を竦めて出て行った。
どうしよう、うらたさんの顔が見れない。
彼に酷い事を言っちゃったんだもん。
うらた「…誤解させるような事して悪かった」
うらた「俺はコウテイの事を異性として見てないし」
うらた「ただの好敵手で高みを目指し合ってただけ」
うらた「ごめん、言い訳にしか聞こえない、よな」
お願い、そんな悲しそうな顔をしないで。
うらたさんの話を聞かなかった私が悪いの！
A「いえ、私の方こそごめんなさい」
A「思いっきり叩いちゃったし、大嫌いって」
A「言ったのは本心じゃないんです！」
A「だから、嫌いにならないで…ッ！？」
不意に強く抱きしめられた。
ずっと触れたかった温もりが目の前にある。
うらた「お前を嫌いになんかなれねぇよ、バカ」
うらた「もう傷付けたり、泣かせたりしないから」
うらた「オルカに戻ってきてほしい…！」
今にも泣きそうで辛そうな声のうらたさん。
私は彼の背中に腕を回してギュッと抱きしめ返す。
A「はい。戻りますよ、うらたさんと一緒に」
うらた「ありがとう。あ、その前にキス、させて？」
A「えぇ！？今ですか！？////」
うらた「お前不足で死にそうなんだよ。それとも」
うらた「俺に"それ以上の事"してほしい？」
このタイミングでそう言うの、ズルいよ。
私だって最近までうらたさん不足だったのに！
A「…うらたさん、我儘言ってもいいですか？」
うらた「いいよ、何でも言って」
A「キスも"それ以上"もしてほしいの、ダメ？」
うらた「それくらいの可愛い我儘なら叶えてやるよ」
うらた「ほら、ベッド行こうぜ。ん、どうした？」
私は彼の服を引っ張ってゆっくり見上げた。
うぅ、恥ずかしいけど今日くらいはいいでしょ？
A「だ、抱っこも、追加で…////」
うらた「ッ！？////ああもう、可愛いなこのバカ！」
うらた「朝まで寝かさないからな？覚悟しろよ？」
A「ふふったくさん愛してくださいね」
うらた「当たり前だろ。あ、無理だったら…んっ」
言えよ、と言おうとした彼の唇を指で止めた。
甘い夜はこれからだからやめないで。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
