【urt】海の中で捜し求めていたのは君だった (ページ32)

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三十一匹目ページ32

sideうらた

ああクソ、「裏」の会合が多くて正直めんどくせぇ。

話は長ぇし、何回も同じ事言ってんじゃねぇよ。

付き添いにセンラを連れて来たが、俺がイラついているのを察してるようだ。

なるべく相手が不快にならないよう言葉を選んで手短に済ませようとしてくれた。

センラ「うらたん、態度に出過ぎやで」

うらた「チッ保身ばかりで何もしない連中の話を」

うらた「聞いてやってるだけでも疲れんだよ」

うらた「ここ数日間Aに会えてないから余計に」

うらた「イライラする。マジ早く帰りてぇ」

たたでさえ、彼女不足で心が渇いて干からびそうだ。

Aに寂しい想いをさせてるし、俺が帰れない日が続いてるからきっと不安にさせてる。

早く彼女のおかえりなさいって言葉が聞きたい。

センラ「…うらたん、残念なお知らせです」

うらた「あ？何だよ」

センラ「会合がもう一件追加されました」

うらた「はああああああ！？ふざけんな！」

センラ「はいはい、これ終わったら帰れるから」

センラ「車にまーしぃ達が待ってるし、早く乗って」

俺は不機嫌のまま、会合に出席して適当なタイミングを図って抜け出した。

日付け変わってるからAは寝てるだろうな。

あの写真はもう要らねぇし、ゴミの日にでも出そう。

鍵を開けると俺の部屋が明るい？

A、来てくれたんだ！

A「こんな想い、したくなかった…！！」

彼女の辛そうで切ない声が聞こえた。

連絡が来なかったのも俺の仕事の邪魔にならないよう気遣ってくれた事、ずっと待っててくれた事が痛いほどに強く伝わる。

扉を開けると俺のジャケットを抱きしめて泣いているAの姿があった。

その光景があまりにも愛しくて胸が締め付けられる。

ゆっくり彼女に近づいて後ろから抱きしめる。

うらた「遅くなってごめん。ただいま」

A「…え？あ、おかえりなさい。お疲れ様です」

いつもなら俺を見て微笑んでくれたのに、俯いたままこっちを見てくれない。

彼女がこうなったのも会合のせいだし、許せねぇ←

うらた「ずいぶん可愛い事してんじゃん」

うらた「本物はこっちだぞ？おいで、A」

A「ッ！いやっ！」

俺は腕を広げて抱きしめようとしたら、彼女に手を振り払われた。

一瞬何が起こったか分からなくて頭が混乱してる。

A「…っごめんなさい」

彼女はそう告げて俺の部屋から出ていった。

戻されたジャケットの近くに例の写真があって、背筋が凍った。