検索窓
今日:33 hit、昨日:0 hit、合計:26,495 hit

二十五匹目 ページ26

sideうらた

表専と呼ばれる「表」の本拠地に辿り着くと、起爆装置を仕掛けるように指示を出した。

学生には手を出すなと会長様に釘を刺された事も全員に伝えておいたから死体は出ないはずだ。

その後、会計の姐さんと合流して事なきを得た。

俺はもう関係ないとか言ったものの、ずっとAの事が気になっていた。

今更助けに行くのもダセェし、正直困った。


坂田「なぁホンマに良かったん?助けに行かなくて」

坂田「後で後悔するの、うらさんなんやで?」

うらた「…だから、それがどうした」

坂田「ペンギンは確かにライバルやけど、会長様の」

坂田「傘下に入ってる者同士なんやから」

坂田「やっぱり助けた方がええんちゃうかなぁ?」

坂田「俺らは反対せぇへんけど、どうする?」


普段アホのくせにこういう時は察しがいいんだよな。

まだ間に合うなら助けに行きたい。

もう二度と誰かを失う辛さを味わいたくない。


うらた「…ペンギンに行ってくる。Aが心配だ」

志麻「やっと言うてくれたな。リーダーが俺らに」

志麻「遠慮せんでええの。ちゃんと言ってや?」

センラ「せやね。そうと決まれば早よ行かんとな」

天月「うらたさん、絶対に助けてあげてね!」

うらた「ああ。志麻と坂田は悪いけど、ついて来い」

うらた「その他は精鋭部隊を『裏』から排除しろ」

うらた「そらるさんとまふまふとluzにも連絡頼む」

オルカ「了解!!」


ペンギンのアジトが壊滅している中、片腕で戦う彼女の姿を見つけた。

良かった、Aはまだ生きてた…!!

精鋭部隊の男が彼女を床に叩き付けたのを見て、頭に血が上った。

その汚ぇ手でAに触ってんじゃねぇよ!!

俺は男から彼女を奪って即ぶっ殺した。

泣き出したAを強く抱きしめて小さな背中と頭を優しく撫でる。


うらた「そっか。よしよし、偉かったな」

A「…もう少しだけ、このままでいても」

A「いいですか?すぐ泣きやみますからっ」

うらた「ああ。お前が落ち着くまでこうしてるから」

うらた「我慢せずに好きなだけ泣いていい」


俺がそう言うと、Aは声を押し殺して泣いた。

彼女は今までずっと一人で泣いてたんだろう。


うらた「やっぱ今のなし。こっち向いて?」

A「…え?」


○んだ瞳、返り血を浴びた顔で俺を見上げた彼女の涙を吸い取る。

Aの帰る場所がなくなったなら俺が作ればいい。

彼女を守れるのなら、どれだけ俺の手が汚れ続けても構わない。

二十六匹目→←二十四匹目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
167人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ちょこ - とてもよかったです!その後話が欲しい! (2022年8月3日 10時) (レス) @page50 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:やすちん | 作成日時:2021年2月8日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。