【urt】海の中で捜し求めていたのは君だった (ページ22)

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二十一匹目ページ22

うらた《よっ、出たって事は生きてるんだな》

A「いやいや、勝手に殺さないでください！」

うらた《無事を確認しただけでそんなに怒るなよ》

うらた《シワが増えても知らねぇぞ？》

ん？これって喧嘩売られてる？さっきと別人ですが？

なんなの？このお兄さん気まぐれにも程があるよね？

A「ふん！私うらたさんよりも八歳も若いので」

A「シワはまだ増えません。ご用が済んだなら」

A「通話を切ってもいいですか？」

うらたさんの年齢については手当ての時に坂田さんが教えてくれた。

もうちょっと可愛げのある言い方にすればよかった。

これで会える機会を逃したらバカみたいじゃん！

うらた《え？俺てっきり未成年だと思ってたわ》

うらた《あ～あ、もっと年下の女と遊べばよかった》

前言撤回！！

やっぱり二度と会いたくない！！

私の乙女心を返してよ！！この小柄シャチ！！

うらた《まぁ、冗談はここまでにしておいて》

うらた《本題に入るぞ。今、そこから外の様子を》

うらた《見れそうか？白い武装をした連中がいたら》

うらた《言ってくれ。出来れば目印があると助かる》

あの、いくら冗談でも傷付いたんですけど！？

私は自室の窓の外を見つめると、白い武装した複数の連中が視界に入った。

A「…見つけましたよ、カジノ施設に三人」

A「その反対側の雀荘に五人、でしょうか」

うらた《なるほど、少人数で動いてんのか》

A「これって『表』の精鋭部隊なんじゃ…！？」

うらた《そうだ。お前が昨日倒した連中だ》

あの時は暗くてあまり分からなかったけど、まさか精鋭部隊だとは思わなかった。

「表」のお抱え戦闘集団で、人数も定かじゃないって噂されている。

うらた《今は外に連中が蔓延ってるからお前は》

うらた《何があっても絶対に外に出るなよ》

A「で、でも、戦わないとやられますよ！」

うらた《…その怪我でお前に何が出来る？》

うらた《仲間のお荷物になりたいなら勝手にしろ》

A「なっ、そんな言い方しなくても…！」

うらた《話は終いだ。じゃあな(ﾌﾞﾁｯ》

アデリーさんが最近物騒だと言っていたのは、この事なんだと今更気付いた。

ペンギンの雰囲気がピリピリしてるのに、私は呑気に外に出歩いて怪我をして帰ってきて情けない。

ジェンツーさんもあんなに心配してくれたのに。

A「私、何やってんだろ」

嫌いだ、こんな自分が惨めで恥ずかしくて大嫌いだ。