十九匹目 ページ20
ごめんね、うらたさん。
身体は大丈夫なんて嘘ついちゃった。
彼の悲しそうな顔を見てたら言えなかったんだ。
手に残る彼の温もりをギュッと握りしめる。
A「また、会いたいな」
熱は下がったけど、怪我をした左肩はまだ痛い。
おかしいな、うらたさんといる時は気にならなかったのになぁ。
怒られるのは怖いけど、無事な姿を見せないとね。
ジェンツー「…随分と遅い帰りじゃない？」
A「ぐぅのねも出ないです。ごめんなさい」
ジェンツー「はぁ、無事なら別にいいわよ」
ジェンツー「ただし、その怪我に関しては説明して」
A「あ、ハイ…」
そうだよね、出かける時にはなかったんだもんね。
アデリーさんといい、ジェンツーさんといい、私に対して過保護過ぎない？
勢い任せの危ない子ってよく言われるけどさ←
怪我をした経緯を説明するとお説教されました。
ジェンツー「しばらくAは外出禁止よ」
A「えぇ！？大袈裟ですよ、舐めたら治ります」
ジェンツー「バカ言うんじゃないの！傷痕残ったら」
ジェンツー「嫌でしょ？完治するまで大人しくして」
あ、うらたさんにも同じ事言われたな。
うわぁ、思い出したら顔が熱くなってきた。
ジェンツー「ちょっと聞いてるの！？顔赤くなって」
ジェンツー「どうしたのよ？寝ぼけてるの？」
A「き、聞いてます。何でもないですからっ」
ジェンツー「ふーん？その首の"噛み跡"は一体誰に」
ジェンツー「どこでつけられたのかしら〜？」
A「え？あ、これは、ですね、あはは…」
しまった、目立つ所にキスマついてたんだった！
相手はオルカのうらたさんだし、言ったら抗争になるのは免れないかもだし、それは嫌だ！
A「そういえば、コーヒー切れてましたよね？」
A「買って帰ったので、置いて来ますね〜」
ジェンツー「あ、コラ！」
我ながら適当な言い訳だけど上手く逃げました←
外出禁止って言われたからしばらくはお仕事はないんだろうな。
まぁ、片手がコレだと足手まといになるもんね。
とりあえず、部屋に戻って休もうかな。
【ピロロン♪ピロロン♪】
ん？電話だ、誰からだろ？
スマホを開くと知らない番号からだった。
A「ま、まさかとは思うけど、うらたさんじゃ」
A「ないよね？怖いから一応録音しとこ」
A「も、もしもし。どなたですか？」
恐る恐る聞いてみたら聞き覚えのある声がした。
いつの間に登録されてたの！？
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
