十七匹目 ページ18
sideうらた
Aが怪我をしてる事も、病み上がりなのも頭では分かっていたけど、つい欲情してしまった。
トラウマにならないように気を遣って様子を見ては、怖がっていないかを何度も確認した。
避妊と後処理は俺がしたから大丈夫。
Aの"初めて"を奪ったのは俺で良かったのか？
うらた「…ごめんな」
俺の腕の中ですやすやと眠るAを抱きしめた。
目が覚めると俺は悪夢でも見たのか、泣いていた。
悲しかったからなのか、嬉しかったからなのか。
どっちなのかも分からない。
ただ、彼女を傷物にした罪悪感が俺を襲う。
A「私はいなくなったりしませんよ」
A「だから、泣かないでください」
彼女の細い指先が目に触れると、涙をそっと掬った。
優しく微笑むAを見て胸が苦しくなるから視線を逸らした。
うらた「…別に泣いてねぇし。勘違いすんなよ」
A「ふふ、慰めてあげましょうか？」
うらた「おいコラ、頭を撫でろとは言ってねぇぞ」
A「その割には嫌がってないじゃないですか」
まぁ、確かに嫌じゃないから振りほどかないけども。
しばらくされるがままにされると涙は止まった。
うらた「今更だけど、身体は大丈夫か？」
A「はい！おかげ様ですっかり良くなりました」
うらた「そうか。もう、帰るか？送るけど」
A「え？でも、そんなの悪いですし…」
いや、悪いのは俺だから遠慮すんなよ。
そんなに激しくはしてないけど少しだけ、心配する。
うらた「また怪我したらどうすんだよ。いいから」
うらた「黙って送られとけ。服は着せてやるから」
うらた「すぐ出れるよな？ジッとしろ」
A「えぇ！？ちょ、うらたさん！？////」
騒ぐ彼女を無視して床に散らかした服を拾って、手早く着替えさせる。
俺の手が彼女の肌に触れる度、ピクっと反応するから昨日の事を思い出して集中出来ない。
うらた「…静かにしないと、帰らせねぇぞ」
A「じ、自分で出来ます！うらたさんも早く」
A「着替えてください！目に毒です！」
昨日あれだけ見といて何言ってんだよ。
俺と顔を合わせないようにそっぽ向いてるし。
うらた「ほら、出来た。俺にも着替えさせてくれよ」
A「わ、分かりましたよ。は、恥ずかし…」
うらた「おい、ちゃんと見とかねぇと終わらないぞ」
A「〜ッ！今真剣にやってます！」
文句言いつつも一生懸命にネクタイを結んでくれる。
やっぱ帰すのやめようかな。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
