十六匹目 ページ17
あれ？おかしいな、こうなるはずじゃなかったのに。
こんなに密着したら普通は動揺するんじゃないの！？
A「ちょ、ちょっと待ってください！」
うらた「は？こんな真似されてんのにお預けかよ」
A「…私みたいな子供じゃなくて綺麗な女性と」
A「遊んでる方がいいんじゃないですか？」
経験もない私よりも上手な女性が良いに決まってる。
身体が密着した状態でうらたさんが顔を擦り寄せる。
うらた「そんなのばっか相手にしてたら喰い飽きた」
うらた「俺が"ちゃんと教えてやる"から怖がるな」
A「え？痛ッ！？」
うらたさんに首筋を噛まれると、そこを強く吸われてしまった。
何が起こったかよく分からなくて混乱する。
うらた「…ん、綺麗についたな。キスマ」
A「げ、目立つ所に付いてる。外に出れない…」
うらた「こうでもしないとお前は帰るだろ？」
もうちょっと手段を選んでほしかったです。
うらたさん手馴れてるからズルいじゃん。
うらた「辛くなったら止める。子供だからって」
うらた「そんなの関係ないし、お前に拒否権はない」
うらた「俺の獲物になった時点で運の尽きだな」
A「え、えっと、冗談ですよね？」
うらた「そんなわけねぇだろ。誘ったのはお前だし」
うらた「据え膳食わぬは男の恥だからな？」
A「私病み上がりなんですけど！？殺す気！？」
うらた「知ってる。加減はしてやるから感謝しろ」
彼のこの言葉を聞いた後の記憶がありません。
嘘です、思い出したら恥ずかしさで死にそう←
初めてシたのに不快感がなくて、何度も私の様子を見てくれてたからあまり怖くなかった。
勢いでこんな事になっちゃったけど、私の事を助けてくれたんだもんね。
お礼にしては度が過ぎてるけど、約束通り加減はしてくれた。
うらたさんは私を壊れ物を扱うかのように抱きしめて眠ってる。
A「ペンギンに帰ったら怒られるよね…」
A「結局泊まっちゃったし。どうしようかなぁ」
うらた「んんぅ、どうした？」
A「あ、すみません。起こしましたよね」
うらた「いいよ。…怪我してんのに悪かったな」
A「平気ですよ。怪我するの慣れてますから」
うらた「…バカ、傷痕が残ったらどうすんだよ」
え…？うらたさんが泣いてる？
何でこっちを見てくれないの？
A「私はいなくなったりしませんよ」
A「だから、泣かないでください」
翡翠の瞳から流れる涙を指先で掬った。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
