十三匹目 ページ14
sideうらた
命に別状がなくてよかったが、Aは顔が赤いまま目が虚ろになっている。
これってまさか。
うらた「おい、どうした？」
A「あ、いえ。頭がボーッとしてて…」
キスで照れて赤面している訳ではなさそうだ。
熱でもあんのか？
うらた「ちょっと触るぞ。…チッ熱いな」
Aの額に触れるとすごく熱い。
俺の声も届いていないのか反応がない。
もしかして、さっきの吐血が原因か！？
坂田「うらさん、Dキスは俺がおらん時にしてな？」
うらた「うるせぇな。今それどころじゃねぇんだよ」
坂田「Aちゃん、熱出たんやろ。怪我が原因で」
坂田「熱が出る場合があるんよ。俺、解熱剤持って」
坂田「来るからAちゃんを寝かせてあげて」
うらた「分かった。よっと」
そっとAを抱き抱えてベッドに寝かせた。
心做しか、息苦しそうに見える。
坂田「お待たせ。うらさんは戻ってええよ」
坂田「…弾が貫通してたから発熱は免れへんしな」
坂田「しばらく俺がAちゃんの面倒見とくわ」
うらた「…任せたぞ」
俺が医務室を出ると志麻が立っていた。
おかしいな、見張りは頼んでないハズだけど。
志麻「どうするん？リーダーの女に手を出した輩に」
志麻「制裁を加えるなら俺は協力するで？」
うらた「俺の女、ね」
普段なら一人の女の為にここまで手を施さない。
アイツに似てるからあんな真似したのか？
どちらにせよ、そんなのはどうでもいい。
志麻「俺、こう見えてもここに来る前はハッカーを」
志麻「してたんよ。お役に立てると思うんやけど」
うらた「…マジか。ウチは訳ありの溜まり場かよw」
うらた「徹底的に調べてくれ。後は坂田にお菓子を」
うらた「渡した連中もな。危うくアイツが食うのを」
うらた「Aのおかげで防げたんだからな」
志麻「ほお、坂田にも？なかなかやってくれるやん」
志麻「リーダーの為ならお易い御用やで。任せとき」
うらた「ああ。頼んだぞ」
俺はAが気がかりでもう一度医務室に戻る。
そこには坂田が注射器を片手にしていた。
坂田「お、うらさんちょうどええ時に来てくれたわ」
うらた「あ？何だよ」
坂田「解熱剤キツいし、注射器で緩和させるから」
坂田「Aちゃんの袖捲ってあげてほしいねん」
うらた「チッ袖捲ってから注射器出せよな」
【ピロロン♪ピロロン♪】
俺と坂田のではない着信音が鳴り響いた。
Aのスマホなら相手はペンギンだな。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
