十一匹目 ページ12
助けてもらったけど、ここまでして頂くのは申し訳ないから降ろしてもらおう。
A「大した怪我じゃないですし、歩けますよ」
そらる「真っ青な顔して何言ってんの？」
真顔のそらるさんに言い負かされて、そのまま無言で運ばれました←
着いた先はなんとオルカの事務所だった。
中へ入るとうらたさんと目が合った。
うらた「どうした？家出でもしたのか？」
まふまふ「違いますよ。『表』に攻撃されて」
まふまふ「怪我してたのを僕らが保護したんです」
うらた「…そうか。坂田、Aの手当てしてやれ」
坂田「え、俺がするの…？」
センラ「元看護師なんやからそれくらい出来るやろ」
坂田「そ、そうやけど。俺、女の子の手当てした事」
坂田「一度もないから大丈夫かなって…」
センラ「思春期真っ盛りの男子か！」
坂田さんって純粋なんだなぁ。
私はそんなの気にしないから大丈夫だと思うけど。
うらた「ぶりっ子してねぇでさっさとやれ」
坂田「はーい。リーダーの仰せのままに〜」
私の怪我を見るなり悲しそうな表情をする坂田さんは優しく丁寧に手当てをしてくれた。
A「坂田さんありがとうございます」
坂田「いえいえ。あんまり無理はせんといてな？」
坂田「あ、取り引き先からもらったお菓子が」
坂田「あるからAちゃんにあげる！」
A「わ、いただきます。…ヴッ！？ゲホッ！」
頂いたお菓子を口に含むと甘くて美味しいなと思った瞬間、咳き込むと手に血がついていた。
な、何これ！？薬物が仕込まれてる！？
マズい、咳が止まらない。
A「ゲホッ！ゴホッゴホッ！」
坂田「どないしたん！？え、吐血しとる！？」
うらた「何騒いでんだ、うるせぇぞ」
坂田「うらさん、Aちゃんが危ない！」
うらた「いいから落ち着け。ん、お菓子の袋？」
坂田「他所のもらい物のお菓子をあげたら急に」
坂田「Aちゃんが咳き込んだんよ。少しだけ」
坂田「吐血もしてんねん。どないしよう？」
うらた「…なるほどな。坂田、Aを俺に寄こせ」
坂田「分かった！」
うらたさんが咳き込む私の背中を擦ると、少しずつ咳が治まってきた。
その隣で坂田さんは心配そうに見ている。
うらた「飲み込まずにそのまま俺の手に吐き出せ」
A「で、でも、そんなの…」
うらた「チッめんどくせぇな。俺がいいって」
うらた「言ってるから大丈夫だ。ジッとしとけよ？」
A「んんっ！？」
少し乱暴に口を塞がれた。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (2022年8月3日 10時) (
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作者名：やすちん | 作成日時：2021年2月8日 19時
