Roll the dice : 2 ページ3
sideうらた
Aが気を緩める事は滅多にない。
いや、そうしないようにしてるだけかもしれない。
この華奢な身体で苦難に立ち向かおうとしているAを支えるために俺はここにいる。
出会ったあの日と同じように笑っていてくれるなら、それを維持出来るように。
ともかく、Aの身体を揺すって起こす。
うらた「ここで寝たら風邪引くぞ。部屋で寝ろよ」
A「ん、そうする。今日はお疲れ様...」
うらた「おう。あ、ちょっと待て」
A「へ？どうかしたの？」
呑気にあくびをしたAの手首に痣がある。
昨日にはそれがなかった。
Aの細い手首を掴み、それを指さす。
うらた「これ、誰にやられた？」
A「あ〜、言わなきゃダメ？大した事ないけど」
うらた「...もしかして、"また"お前の母親か？」
A「...うん。でも、私が悪いんだし」
うらた「何で早く言わないんだよ。痛かったろ？」
A「ううん、平気だよ。こんなの慣れてるもん」
おそらく、物を投げつけられて出来たんだろう。
Aは両親に虐待を受けている。
それなのにも関わらず、平然を装うからすぐには気づいてやれない。
暴力を振るう時は決まって服に隠れる箇所を狙う。
おまけに病院に行こうとすれば通報されるからやめろと言われるらしい。
うらた「...もうその言葉は聞き飽きた」
A「うっ、ごめんなさい」
うらた「謝られる意味が分かんねぇけど」
A「えぇ...それじゃあ、どうしたらいいの？」
うらた「遠慮せずに俺の所に来い。それなら」
うらた「こんな怪我、しなくて済むから」
俺もそうだけど、Aは愛される事を知らない。
目の前の強い力に痛めつけられて、いつの間にか助けを求める事を忘れたようだ。
もちろんこの痣だけじゃないはずだ。
他にもたくさん痛い思いをしたんだと思うと胸が締め付けられる。
A「ありがとう。次からはそうする」
A「レッスンは厳しいけど、やっぱり優しいね」
俺が優しい？
そんな事はないだろ。
さっきだってあんなにキツい言い方したのに。
うらた「じ、従者として当然だ」
A「そっか。じゃあ、部屋に戻るから」
部屋に戻ろうとするAを抱きしめる。
こんな事をしても何にもならないと分かってる。
うらた「俺は絶対に暴力なんて振るわないから」
うらた「頼むから、平然を装うのはやめてくれ」
うらた「俺は、そのために、お前の事を...！」
傍で守りたいんだ。
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ちか_chika(プロフ) - やすちんさん» ですよね！！！！ (2020年8月24日 19時) (
レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - ちか_chikaさん» うらたさんはイケメンですもんね(確信) (2020年8月24日 15時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - うらたん…イケメンかよ！！！←いや、イケメンだよ！！！ (2020年8月23日 9時) (レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - まーかーさん» セトリに沿ったお話なので楽しんで頂けると幸いです。わ！以前のも読んで下さったんですね！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - すごく続きが気になる...！やすちんさんの他の作品も読ませて頂いたのですが、どれも面白かったです！更新楽しみにしてます(･´ω`･) (2020年8月20日 20時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年8月9日 0時
