Roll the dice : 11 ページ12
sideセンラ
"彼女"と別れてから今日で1年が経った。
仕事が忙しくて忘れかけていたけど、時々会いたいと思った事があった。
今もあの屋敷で一人で泣いているんやろうか。
【ジリリリリリリリリリリン！！！】
こんな時間から電話がかかるなんて珍しい。
誰やろ？お得意さんやろか？
センラ「はい、もしもし...」
A《え、えと、私です。元気にしてた？》
間違いない、この愛しい声はAだ。
久しぶりに彼女の声を聞いて、俺の鼓動が高鳴る。
センラ「それなりにな。急にどないしたん？」
A《今日は国王主催のパーティーがあるでしょ》
A《センラは来るのかなって思って電話したの》
もしかして俺の事を気にかけてくれた？
何それ、めっちゃ嬉しいし、可愛いぞ！？
センラ「もちろん行くで。当たり前やん」
A《そうなのね。私も行くんだけど...》
センラ「ホンマに？ほな、俺がエスコートしよか？」
彼女は家庭の問題で周囲の貴族に見下されている。
俺はその事情を知ってるから、彼女を悲しませないようにずっと隣にいた。
パーティーでは必ず彼女に嫌がらせをする連中がいて、そいつらから彼女を守れる事を誇りに思ってた。
A《ごめんなさい、それは遠慮するわ》
A《私の執事にエスコートしてもらうの》
信じられない言葉に一瞬だけ意識がグラついた。
俺が知らなかった1年の間に何があったん？
彼女に執事なんていなかったはずやんな？
でも、先約がいるなら仕方がない。
センラ「...こんなええ男のお誘いを断って」
センラ「あとで後悔しても知らんからな！？」
A《ふふっ。何それ、自意識過剰すぎない？》
A《センラにはもっと素敵な女性がいるでしょ》
そんなのどこにもおるわけないやん。
俺にとっての素敵な女性はAだけ。
それだけは絶対に変わらない。
センラ「それは、どうやろ、な...」
A《そっか。電話越しで言うのもなんだけどね》
A《"あの夜"はごめんなさい。私が悪かったわ》
センラ「ちゃうよ！俺のせいでAを...！！」
自分を責めるAは昔から変わってない。
素直になれなかった俺が悪いのに。
謝りたいのは俺の方やのに、先を越されてしまった。
A《...そろそろ切るね。執事が隣でうるさくて》
A《今夜、センラに会えるのを楽しみにしてる》
センラ「分かった。俺も楽しみにしとくな」
電話が切れてしばらくの間、俺は立ち尽くしていた。
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ちか_chika(プロフ) - やすちんさん» ですよね！！！！ (2020年8月24日 19時) (
レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - ちか_chikaさん» うらたさんはイケメンですもんね(確信) (2020年8月24日 15時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - うらたん…イケメンかよ！！！←いや、イケメンだよ！！！ (2020年8月23日 9時) (レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - まーかーさん» セトリに沿ったお話なので楽しんで頂けると幸いです。わ！以前のも読んで下さったんですね！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - すごく続きが気になる...！やすちんさんの他の作品も読ませて頂いたのですが、どれも面白かったです！更新楽しみにしてます(･´ω`･) (2020年8月20日 20時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年8月9日 0時
