Roll the dice : 1 ページ2
sideうらた
俺はエンディミオン皇国の名家の一つ、クルー家の執事として雇われている。
金銭目的ではなく、ここのご令嬢とある契約を結んだからだ。
うらた「違う！そうじゃないって言ってんだろ！！」
うらた「もう一度だ。ほら、最初からやってみろ」
俺が仕えるお嬢様であるAはやる気はあるのだが、物覚えが悪くて教えるのにひと苦労だ。
お互いの望む世界を手に入れるために俺は心を鬼にして厳しく指導している。
A「うぅ...えっと、ここは...？」
うらた「おい、手が止まってんぞ」
A「分かってる！ちょっと待ちなさいよ！」
うらた「どうせ、俺が教えたとこ分かんないんだろ」
A「悪かったわね。これでも私だって...！」
別にAを責めたつもりはない。
悔しそうにノートを見つめるAが一生懸命に頑張っているのは理解している。
うらた「ったく、もう一度ここを教えてやるから」
うらた「そんな泣きそうな顔すんなよ」
A「...泣きそうになんかなってない」
A「今度こそ出来るようにするから」
A「もう一度お願いします！」
うらた「よし、その意気だ。ここはな、これを...」
俺だって本当はAにキツい言い方をしたくない。
もう少し優しく教えてあげたい。
ただでさえ、ずっと辛い思いをして生きてきたAには恩がある。
本人がその事を覚えてるかは分かんねぇけど。
ここで甘やかしてしまうと契約した意味がなくなる。
お前と俺の望みを叶えるにはこうするしかない。
A「…これで合ってる？」
うらた「ふん。やれば出来るじゃねぇか」
A「本当に？やった！」
うらた「次行くぞ。今度は一回で覚えてくれよ」
A「ええ。分かった」
俺の説明を真剣に聞いているAの眼差しにほんの少しだけ見惚れていた。
いつも反論はするけど、素直に話を聞いてくれる。
根は真面目だから、俺も教え甲斐がある。
うらた「今日はこれくらいにしとくか」
A「はーい。ん〜、疲れた...」
うらた「それは俺のセリフだ、バカ」
A「あ、主に向かってその言い方は...」
うらた「明日は一人でこの課題するんだな？」
分厚い書籍を重ねた物を見せるとAは一気に青ざめた。
当たり前だが、伯爵令嬢なら必要な知識だ。
A「ちょっとくらい加減しても...」
うらた「あのな？これ以外にも教えないとって」
うらた「寝ちまったか。仕方ねぇな」
無防備に可愛い寝顔しやがって。
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ちか_chika(プロフ) - やすちんさん» ですよね！！！！ (2020年8月24日 19時) (
レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - ちか_chikaさん» うらたさんはイケメンですもんね(確信) (2020年8月24日 15時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
ちか_chika(プロフ) - うらたん…イケメンかよ！！！←いや、イケメンだよ！！！ (2020年8月23日 9時) (レス) id: 4c7052c311 (このIDを非表示/違反報告)
やすちん(プロフ) - まーかーさん» セトリに沿ったお話なので楽しんで頂けると幸いです。わ！以前のも読んで下さったんですね！ありがとうございます！更新頑張ります！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 66defb12a3 (このIDを非表示/違反報告)
まーかー(プロフ) - すごく続きが気になる...！やすちんさんの他の作品も読ませて頂いたのですが、どれも面白かったです！更新楽しみにしてます(･´ω`･) (2020年8月20日 20時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年8月9日 0時
