第九十六夜 ページ47
うらた「夢みたいで信じられないって顔してんな？」
A「えぇ！？そんな事ありません…////」
うらた「ふーん？てか、顔真っ赤じゃん。かーわい」
意地悪そうに私の顔を覗き込んでくるうらたさんから視線を外す。
もう無理、皆さんもこちらに視線を向けてるし。
A「み、見ないでください…ぐずっ」
うらた「いつまで泣いてんだよ。ほら、こっち向け」
私の顔を両手で包み、上に向けられる。
自然とうらたさんと視線が重なって逸らせない。
うらた「泣き顔も照れた顔も可愛いけど」
うらた「俺は笑顔が一番好きだよ(ﾁｭｯ」
A「ッ！？////」
うらたさんは優しく溢れる涙を吸い取る。
びっくりして涙が引っ込んだ。
うらた「お、泣き止んだな。よしよし」
A「本当にズルいなぁ…(ﾎﾞｿｯ」
うらた「ん？何か言ったか？」
A「…内緒です。教えません！」
うらた「お、おう。そういえば、混合宣誓って」
うらた「何するか聞いてるか？」
A「いえ、私は何も聞いてませんけど」
坂田「混合宣誓はさっきうらさんが持ってた」
坂田「指輪を使って神様に誓いを立てる儀式やで」
坂田「お互いの指輪に魔力と退魔の力を込めて」
坂田「同時に薬指に指輪をはめるだけやから」
坂田「簡単やろ？」
うらた「三つ目だけやけに簡単すぎねぇか？」
坂田「あ、ごめん。まだやる事あったわ」
ですよね！？
そんなに呆気なく終わるような儀式じゃないはず。
luz「さかたん、しっかりしてよ…」
坂田「…次に指輪をはめたら本部の明かりが」
坂田「消えるから全てのロウソクに火をつける」
うらた「はぁ！？範囲広すぎだろ！？」
A「まあまあ、火をつける順番はありますか？」
坂田「それはないから大丈夫やで。その次は」
坂田「誓いの言葉を言ったら儀式は完了や」
あれ？混合宣誓ってほぼ結婚式の内容と似てる？
やる事は多いけど、難しいものはなさそう。
うらた「なるほどな。ほとんど結婚式と同じだな」
坂田「確かにな。挙式も頼んどいたらええかな？」
うらた「いや、それはさすがに…」
教皇「ワシは構わんよ。若者が遠慮するでない」
A「で、でも、教皇様はお忙しいのでは…？」
教皇「ほほほ。最近は教徒に仕事を任せておる」
教皇「ワシが儀式の手伝いと2人の門出の祝福を」
教皇「したいだけじゃよ。年寄りのお節介だがな」
A「お節介だなんてとんでもございません」
いよいよ最後の儀式が始まる。
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
