第九十二夜 ページ43
luz「一応オレの教祖としての権限を使って」
luz「本部の結界を少しだけ緩めといた」
センラ「誰にも気づかれんから楽に侵入出来たしな」
今朝方、礼拝の前にluz様とセンラ様が珍しく話し込んでいたのはこの為だったんだ。
うらた「A、なるべく俺から離れるなよ」
A「で、でも、動きにくくなりませんか？」
うらた「そんな事ねぇよ。片腕あれば充分だ」
A「ふふ。余裕なんですね」
教皇様は元々争い事が苦手らしくて頭を抱えていた。
ここ本部は神聖な場所であり、頭の硬い方がたくさんいるという場所でもある。
私達が分かり合うのは難しいのかな。
まふまふ「さすが聖職者の本部であって人数が」
まふまふ「多いですね。儀式を邪魔するなんて」
そらる「そりゃな。契約儀式が開発されてから」
そらる「今まで成功例がないのはコレだろうな」
どれだけの魔族と聖職者との契約儀式が困難なのかを今よく理解出来た。
好きな人と一緒にいたいだけなのに、異例は誰も認める事なくて引き離されるという事を。
志麻「無粋な連中やな。2人の何が問題なんや？」
志麻「ここまで来るのにどんだけ苦労したと」
志麻「思ってるん？…ええからはよ立ち去れ」
私は十字架を握りしめて教徒達に声をかける。
A「魔族と聖職者の仲を認めないと仰るなら」
A「私は聖女を辞めさせて頂きます」
A「退魔の力が必要なら他の方にお譲りします」
A「どうなさいますか？」
別に退魔の力がなくなっても構わない。
それだけの価値なら、私は聖女じゃなくていい。
A「うらたさんの代わりは何処にもいません」
A「その為なら、たとえ力を失ったとしても」
A「聖女という役割を剥奪されてしまっても」
A「私は後悔する事なんてありません」
私の発言に驚いたのか、教徒達は口を噤んだ。
今言った事に嘘はない。神様に誓ってもいい。
うらた「…そういう所は曲げないんだな？」
A「もちろんです。元々そのつもりでしたから」
うらた「おいおい、マジかよ。その発想はなかった」
志麻「ええなぁ。うらたさん結構愛されてるやん」
坂田「まぁ、対価として払うなら上等やろ」
センラ「聖女じゃなくても修道女に戻るだけやしね」
まふまふ「それでもまだ邪魔するなら…」
そらる「俺らが許さないからな？」
天月「この2人の愛は本物なんだ」
luz「決して誰にも壊させたりなんかさせない」
さぁ、答えを聞かせて？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
