第九十一夜 ページ42
A「武器を収めて下さい！」
教徒C「何を仰いますか！相手は魔族ですぞ！」
教徒D「おのれ魔族、聖女様を誑かしおって…！」
うらた「ふざけんな。そんな真似するわけねぇだろ」
私は教徒達によって抑えられ、うらたさんから引き離される。
お願い、うらたさんに乱暴な事はしないで！！
うらた「Aを離せ、気安く触んな」
教徒E「な、貴様…！！教皇の御前だぞ！！」
脅しの言葉に耳を傾けず、うらたさんは教徒にゆっくりと近づく。
うらた「聞こえなかったか？俺の恋人に気安く」
うらた「触んじゃねぇって言ってんだよ！！」
A「わっ！？」
腕を引かれて、うらたさんの元へ。
やり方は乱暴だけど、抱きしめる力は優しい。
私は離れないようにしがみつく。
坂田「教皇はこの2人を認めたんや」
luz「何で君らが反対するの？」
教徒F「我々は魔族から人間を守る者です」
教徒G「その魔族を受け入れるなど…愚かしいです」
確かに魔族は人間を害するだけど、うらたさんはそんな事はしない。
いつだって私の事を助けてくれた。
A「皆さんが魔族を嫌悪するのは分かります」
A「大切な人を失って傷付いたから許せない」
A「それでも全ての魔族はそうではありません」
坂田「せやな。ムカつくとこもあるけど憎めんよ」
luz「オレなんか魔族に助けられたしね」
私が出会った魔族はとても良い人達だ。
何度も手を貸してくれて、協力もしてくれた。
うらた「俺の事は無理に受け入れなくていい」
うらた「最初から知ってたからな。それに俺は」
うらた「Aの為なら命を賭けてもいい」
うらた「ずっと傍にいたいからここへ来たんだ」
私を抱きしめる力がさっきよりも強くなった。
うらたさんの言葉に涙が溢れそうになる。
坂田「混合宣誓さえすれば、ようやく結ばれんねん」
坂田「お前らがその2人の幸せに文句あるなら」
坂田「俺らが相手したるで？な、luzくん」
luz「もちろん。何人でもかかって来なよ？」
聖書を構えて私達の前へ立ち塞がる坂田様とluz様。
いつもの雰囲気が消え、かなり真剣そうだ。
センラ「連れへんなぁ。その喧嘩、俺らも混ぜて？」
A「え！？センラ様！？いつの間に！？」
センラ「一応鏡越しで様子見て、出番やなって」
坂田「やるやん、センラ。抜け目無いなぁ」
センラ「当たり前や。それに俺だけやないし」
わざわざ様子を見て来てくれたんですね！
頼りになります、センラ様！
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
