第八十九夜 ページ40
sideうらた
やべぇ、混合宣誓の事を考えると全然眠れねぇ…！！
俺の腕の中ですやすやと寝ているAを起こす訳にもいかず、ベッドに入ってからこの調子だ。
うらた「はぁ、どうするかなぁ」
A「…ん、うらた、さん？どうされました？」
小声で呟いたはずが、Aが目を覚ました。
寝ぼけてるのか、あどけない様子で可愛い。
うらた「悪い、起こしたか？」
A「いえ、大丈夫ですよ。本部に行くのは」
A「不安ですか？何されるか分からないですし」
うらた「それもそうだけど、本部に俺の事を認めて」
うらた「もらえるかってのが一番不安かな…」
普段強がりしか言わない俺はAに弱音を吐いた。
もしも、しくじったら今までの苦労が水の泡だ。
Aを近くで守れる権利があるなら手に入れたい。
首輪に繋がれる事になったとしても後悔はない。
Aと一緒にいたい、それ以上の望みはない。
うらた「ごめん、こんな話して…」
A「いいですよ。たくさんして下さい」
A「うらたさんの不安が少しでも無くなるなら」
A「朝まで聞いてますから。ね？」
うらた「うん、ありがとな」
目の前の小さな身体を抱きしめる。
Aがいるから頑張れて、それだけで勇気が出る。
A「え、えと…うらたさん…？////」
うらた「しばらくこのままでいさせて？」
うらた「安心して眠れる気がするから」
A「わ、分かりました…////」
うらた「クスッおやすみ、A」
A「おやすみなさい、うらたさん」
ゆっくり目を閉じると、さっきまでのが嘘のようにすぐに眠れた。
坂田「A、うらさん、準備はええか？」
A「はい！」
うらた「ああ」
毎朝の礼拝が終わり、いよいよ本部へ向かう。
昨晩の不安はもうなくなったから平気だ。
luz「連絡は今朝したからいけると思う」
センラ「Aちゃんとうらたん頑張ってな」
センラ「いい報告を待ってるで！」
A「はい！頑張りますね！」
今朝方、一睡もしなかったのか、天月がフラフラと教会に来た。
Aには秘密にしてる"ある物"をバレないように俺に手渡してくれた。
天月「うらたさん、コレ頼まれた物だよ」
天月「我ながら最高によく出来た自信作だからね！」
うらた「わざわざ、サンキュ。ありがたく使うよ」
天月「俺も2人の事、応援してるよ！」
センラと天月に見送られ、いざ本部へ。
"ある物"を無くさないように懐に大事にしまった。
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
