第八十五夜 ページ36
sideうらた
坂田「それやのに、うらさんが来てからAは」
坂田「俺の隣にいる事が減ったし、話さなくなった」
坂田「嫉妬してたんやと思う。でも、悔しくて」
坂田「Aが笑ってたらそれでええけど」
坂田「うらさんは何度もAを泣かせた」
坂田「それがあったから認めるのも任せるのも」
坂田「出来へんねん。せやから…！！」
坂田「あの日の決着つけようや」
聖書を取り出した坂田は本気でやるつもりだ。
俺も本気でやんねぇとな。
うらた「分かった。一応場所を変えようぜ」
坂田「ええよ。luzくん、Aの事頼んだで」
luz「…うん。気をつけて」
天月「あんまりやりすぎないようにね」
止める様子もなくluzと天月は静かに俺達を見送る。
そしてあの日と同じ郊外に辿り着く。
うらた「俺が勝てたらAとの仲を認めてもらう」
坂田「かまへんよ。それじゃ、始めるで」
聖書を開き、詠唱を始める坂田の隙を見て攻撃を仕掛けるが、それを上手く躱す。
神父という立場であって、普段があんな感じでも実力はある。
うらた「チッこっちを見てねぇのに避けやがった」
坂田「我に立ち塞がる邪な者よ、冥界に帰せ」
やまだぬき「うらたくん！後ろ！」
うらた「なっ！？」
坂田を見ていたせいで、背後の隙に気付かずに攻撃をまともに食らった。
背中に鞭で打たれたような痛みが走る。
うらた「クッ！！て、てめぇ…！！」
坂田「ふーん？今の食らっても平気なんか」
坂田「さすが上級魔族やな。倒しがいがあるわ」
うらた「随分余裕そうだな？これならどうだ！？」
俺は空中から坂田に攻撃をする。
ギリギリを狙ったから避けるのは困難だろう。
坂田「…ッ！なかなか、やるやん」
うらた「まだ立ってんのかよ。化け物じゃねぇか」
坂田「伊達に何体も魔族を倒してるからな」
うらた「あっそ。それなら加減しなくてもいいよな」
坂田「舐めんな。最初から本気でやれや」
うらた「それもそうだな。来いよ、過保護神父！」
坂田「…二度とAに近づくな、恋敵魔族！」
俺が攻撃をして坂田に攻撃されるを繰り返し、お互いがボロボロになっても立てる力はあるらしい。
肩で息をするだけでも相当キツい。
それでも負ける事は出来ない。
Aの為に俺は
愛しいから守りたい、愛しいから傍に居たい。
その想いは同じだけど、譲りたくはない。
うらたと坂田「これで終わりだ！」
勝者はどちらに。
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
