第八十三夜 ページ34
sideうらた
Aは籠を片手にセンラと教会を出た。
あのバカ、油断するなよ。
それにしても坂田が俺に用があるのは珍しい。
うらた「で？野暮用って何だよ？」
坂田「次の儀式で必要な物についての話や」
luz「これはうらたん抜きでは困るからな」
急に真剣な眼差しになるから大事な話なんだろう。
てか、次の儀式の説明は？
天月「こんばんは！やる気！元気！！天月です！！」
うらた「うお！？いつの間にいたんだよ！？」
luz「うらたんとAちゃんがイチャついてる時に」
luz「来てもらったんよ。Aちゃんには内緒な？」
いきなり俺の背後から現れた天月に驚く。
坂田「うらさんが決めてあげてな」
うらた「は？何を？」
luz「何って、混合宣誓の為の契約指輪やで」
うらた「…へ？、ゆ、指輪？俺が決めんの？」
天月「俺は人形技師だけど、装飾品も作れるよ」
天月「指輪のデザイン画を何枚か持って来たよ」
荷物の中から複数の指輪のデザインが描かれた紙をテーブルに広げながら楽しそうな天月を見て拍子抜けした。
俺はてっきり真剣は話だと思ったが、違ったらしい。
坂田「さすがやな。先週頼んでこんなに考えるとは」
天月「何かプロポーズのお手伝いみたいで」
天月「楽しくなっちゃってたら出来たんだよ」
うらた「プ、プロポーズとか、お前なぁ…」
天月「ん？違うの？結ばれる為の儀式でしょ？」
うらた「そ、そりゃ、そうだけど」
つまり今から俺が決めるのは婚約指輪も兼ねてるって意味になんのか！？
子供が欲しいって言う前にこっちの方が先だよな←
順序間違えてたわ、恥ずかしい←
天月「オプションでAちゃんのドレスとかも」
天月「考えてあるよ。どうする？」
luz「用意周到すぎひん？人形技師やめたら？」←
天月「そっちは本業でこっちは副業だよ」←
坂田「副業しとったんかーい！！」
うーん、どれもAに似合いそうで迷うな。
決めるなら一緒にした方がいいか？
あ、いけね、大事な事を聞かねぇと。
うらた「なぁ坂田。混合宣誓ってここでするのか？」
坂田「…いや、それだけ本部でせなアカンねん」
luz「うらたんが教皇に認められたら儀式は出来る」
うらた「本部のトップに聖女様をくださいってか？」
Aの側にいられるなら何度も土下座してやるよ。
坂田「それ結婚の挨拶やん。後見人の俺を通せや」←
うらた「娘さんを俺にください！お義父さん！」←
坂田「お前にAはやらん！」
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
