第七十八夜 ページ29
sideうらた
吸血したさに必死になった俺が悪いんだけど、無自覚とは思わないだろ！？
Aが痛くないように優しめに白い肌の首筋に噛みついた瞬間、聞いた事がない甘い声を出した。
声を抑える力もないくらい疲れているのだろう。
うらた「あのなぁ、俺も男なんだぞ？」
A「それは存じておりますよ？」
ダメだ、まるで分かってない。
とりあえずAを部屋に運んでから説明するか。
うらた「はぁ…坂田のヤツ、過保護にし過ぎだろ」
A「う、うらたさん、私歩けます！」
うらた「貧血で顔が真っ青じゃねぇか」
A「うっ」
うらた「ほら、戻んぞ」
なるべく揺らさないように気をつけて部屋までAを運んだ。
ゆっくりベッドに降ろしてそのまま押し倒す。
A「あ、あの、うらたさん？近いです…////」
うらた「さっき俺が言った意味、分かったか？」
A「いえ、全く分かりません…」
うらた「ふーん？"前に"されたんじゃないのか？」
A「え？」
うらた「こういう事」
服越しにAの身体をそっと撫でる。
ピクっと反応してようやく状況を理解したらしい。
A「んっ、や、やめてください…////」
うらた「俺をその気にさせといてそれはなくない？」
A「そ、そんなつもりは…！」
うらた「あんな感じに可愛い声出るんだな」
A「うらたさんも人の事言えませんからね！？」
うらた「…もしかして、感じたの？」
ちょっと冷たく言ってみるとAが赤面した。
やべぇ、俺の理性が持ちそうにない。
A「ちが、そんなんじゃなくて…////」
うらた「…もういい」
A「んんっ、ふ、ぁ」
うらた「ん、はっ、ふぅ、んっ」
プツンと切れた俺の理性は抑えがきかなくて、Aに深い口づけを落としていく。
何度も角度を変えて息つく暇も与えない。
Aの手に指を絡めてギュッと握りしめる。
うらた「これで分かったか？」
A「は、はひ…」
うらた「続き、するか？」
A「ま、まだするんですか…？」
くっ、潤んだ瞳で見つめるAに罪悪感が襲う。
やりすぎるのもかわいそうだよな。
うらた「嘘だよ。無理させてごめん」
A「大丈夫ですよ。それに…」
うらた「ん？」
A「うらたさんなら、何されても、いいです」
うらた「なっ、バカ。本気になったらタダじゃ…」
A「本気で言ってます…！」
うらた「ったく、どうなっても知らねぇからな」
覚悟しとけよ？
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
