第七十三夜 ページ24
A「そんな事ありません」
A「あのユウキくんはお母様の為に危険な森へ」
A「薬草を取りに出かけていたのは」
A「ご存知でしたか？」
母親「い、いえ。まさか…魔族のいる森でしょうか」
うらた「そうだ。俺達が魔族掃討してた時に」
うらた「危険な目に合ってたから助けたけどな」
母親「まぁ。あの、聖女様、そちらの方は…？」
ど、どうしよう。
魔族ですって言ったら警戒されるよね？
ここは私の恋人ですって言えばいい？
うわ、恥ずかしっ！
A「え、えっと、彼はですね…」
ユウキ「このお兄ちゃんは聖女様の恋人なんだよ！」
母親「そうなの！？お二人になんて言ったらよいか」
A「いえ、ユウキくんが無事で何よりですから」
ユウキくんよく出来ました！！
花丸あげちゃいます！！
うらた「…礼はいいから、息子を大事にな」
母親「はい！本当にありがとうございました！」
A「では、お母様、よろしいでしょうか？」
母親「お願い致します、聖女様」
A「分かりました。始めます」
ユウキくんのお母様に病を退ける祝福を授けると、青ざめていた顔色がよくなった。
初めて使ったけど、上手く出来たみたい。
ユウキ「お母さん、治った？」
母親「ええ、もう大丈夫よ。心配かけてごめんね」
ユウキ「ううん！元気になってよかった！」
ユウキ「聖女様とお兄ちゃんありがとう！」
A「ふふ。お役に立てて良かったです」
うらた「ん。それじゃ、またな」
嬉しそうに笑い合う親子を見て私も安心した。
助けられて本当によかった。
ユウキくんのお家を出ると外は夕方になっていた。
夕陽が綺麗だなぁ。
うらた「よくやったな、A。ご苦労さま」
A「ありがとうございます。少し大変でしたね」
うらた「ま、結果オーライだからいいだろ」
A「それもそうですね」
うらた「ユウキって教会に来た事あるのか？」
A「はい。天月さんの人形劇を見に来てまして」
A「お母様は信者さんで何度かお会いしてます」
うらた「へぇ。顔見知りなんだな」
A「ふふ。よくいらっしゃるので」
うらたさんが急に立ち止まった。
どうかしたのかな。
うらた「Aって子供は好き？」
A「ええ。可愛いですよね。いい子たちですし」
うらた「…欲しくなったりする？」
A「え？何がでしょうか？」
うらた「俺とAの子供」
A「えぇ！？////」
うらた「どうなんだよ？」
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作者名：やすちん | 作成日時：2020年5月28日 10時
