恋着 (ページ16)

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あれから順調に食事が進み

思い出に浸る人も、お酒を飲んでいる人もいて

どんどん会が賑やかになっていった。

私は｢ちょっと御手洗行ってくるね。｣と声をかけ

バルコニーへと足を運んだ

少し酔った体に夜の冷たい風が心地よい

学生の頃から明るくて人気だった彼の話は

周りの人達から絶対に出てくる。

私も無意識に彼のことを目で追ってしまい、

彼の声や笑顔を聞いたり見たりする。

その度に何故か心が締め付けられて、

居てもたってもいられなくなり逃げだしたのだ。

どうしても耐えられなかった。

こうして風にあたっていると少し冷静になれる

"早く忘れたい"

そんなことを考え夜空を眺めていると、

渉｢…こんなところに居たんだ｣

ずっと待っていた声がすぐ後ろで聞こえた

『……なんで……？』

渉｢Aがどっか行くから追いかけてきた｣

『話盛り上がってたじゃん。早くみんなの所戻らないと』

どんな顔をして会えばいいかわからず、

彼の方を向くことができずに俯いていた。

渉｢俺と、、話したくない感じ、？｣

少し涙ぐんだ震えた声を聞くと、

意地を張ることなんてできなくなってしまった。

『そうゆう訳じゃない、けど……』

渉｢じゃあ話そうぜ。

俺、Aに話したいこといっぱいあんの｣

｢ちょっとそこの椅子座ろ｣と言い彼が私の方へ歩いてきた

椅子に座ると、まだ顔をあげられない私に対し、

渉｢こっち向いてよ。｣

と言い、彼の大きな手が私の手を包み込んだ。