馬鹿に "愛" は難しすぎた。【Zm】 (ページ4)

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いや。ページ4

※性的表現あり

賑やかな街を端から歩く。

人口密度が高く、たまに人とぶつかる。

_「邪魔だな、」

心ない言葉が心を小さく抉る。

嗚呼ここはなんて治安が悪い。柄の悪い人たちがうようよしている。小さい子もいるが、その子たちがここで育ったらあんな風になってしまうのだろうか。

『刃物による失血死だとよ。あんなに堂々殺ってたのに一人も顔みれてねぇんだって。どうなってんのやら。』

呆れた男の声がした。

チラッと見ると、目があってしまった。すぐに目を逸らし、スタスタ歩きつづけた。

…

赤に染まる空。

結局彼を見つけることはできなかった。諦めて帰ってしまおうか。

____ドンッ

鼓膜に響く大きな音が響き渡った。

『なんの音だ？』

まわりもその音に動揺していた。

まわりの誰一人もその音の正体はわかっていなかった。

でも、遠くの方で青年が声をあげているのが微かに聞こえた。

『おい！銃だ！銃の音だ！音が近かった！まだここら辺にいる！！』

必死に声をあげていた。その声を聞いて、私も少し動揺してしまい、少し人気のないところへ向かった。

それがいけなかった。

…

『なあ、ねぇちゃん、』

低く、掠れた誰かの声が後ろからした。

すると、あのとき目があった男だった。

『さっきはどうしたんだぁ？俺の顔見つめて、』

ダメだ。

『ねぇちゃんよ、俺の暇潰しに付き合ってくれよ、』

こんな私でもこれから何か“ダメなこと”をされるのは目に見えていた。

「んっ」

無理矢理唇を奪われた。鳥肌がたつ。
その嫌悪感に体が震えだした。
いやだ、いや、やめてよ、

ニタァ…と気持ち悪い笑みを浮かべながら、ベタベタと体を触ってくる。

…

…数秒間何も起こらなかった。
目をゆっくりも開けると、目の前に男がコロン、と無様に転がっていた。
息はあるようだが、頭から血を流し失神しているようだった。

__「こんなんで気絶なんて、弱っちぃなぁ。」

少し舌足らずな声が上からした。

「…ぞむ、さん」

こんな、物語のようなことがあるのだろうか。助けてくれたことの感謝と共に、絵に書いたような展開にドキッとしてしまう。

Zm「よっ、」

イシシ、と笑う彼にほっと胸を撫で下ろす。でも、最初に出た言葉は

「ごめんなさい。」

だった。

Zm「そんな堅苦しいの嫌やわ、てか、ごめんってお前、謝るようなことしたか？ありがとうでええんやで、」

(文字数)