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新しい部署になったものの、あまり仕事内容に変化は無く、戸惑うこともなかった。
初日は思ったよりも順調でこの調子なら残業も無さそうだ。
が、
煙草休憩したいなーーー
と、思ってしまうのは仕方ないと思う。
というわけで
｢煙草休憩行ってきます｣
隣のデスクで仕事をしている先輩に声をかける。
ゾム｢おーう。早めに戻ってこいよ……って、えっ｣
と、パソコンに向いていた先輩の視線が、驚いたように私へ向く。
｢え、何ですか？｣
ゾム｢いやっ……、煙草吸うんやなあ、って思って｣
ああ、そう言えば新人の頃は吸っていなかったことを、思い出す。
｢1年くらい前から、そこそこ吸ってます。中毒じゃないです｣
ゾム｢似合わないっすね｣
｢めっちゃ失礼ですね｣
なんて、話していると
ショッピ｢あ、俺も煙草休憩したいです｣
ゾム｢ショッピ君もか、はよ帰ってこいよー｣
と、了承を頂き、さっさと喫煙所へ移動する。
今日はあまり匂いが残らないピアニッシモを吸うことにした。
新しい部署ではどんな人がいるかわからない。
もしかしたら、煙草の匂いを苦手とする人もいるだろうと判断した。
少し物足りないが仕方ない。
隣のデスクの先輩にも迷惑になるかもしれないし。
お気に入りのライターを取り出し火をつける。
吐き出した煙を眺めるこの瞬間が好きだったりする。
ショッピ｢なんか、似合いますね｣
ぱちりとショッピ君と目が合う。
｢先輩には、似合わないって言われた。ショッピ君はやっぱり似合うね｣
ちょっと流し目で煙草を吸う彼を、何処と無く格好良いと感じてしまったのは内緒だ。
ショッピ｢まあ、煙草歴先輩より長いみたいなんで。それより、天宮さんとゾムさんめっちゃ仲良いっすね、ちょっと驚きました｣
どうやら先ほどの先輩との会話はショッピ君にも聞かれていたらしい。
先輩と仲が良いことが意外とは。
教育係だったというのもあるが一緒にいて楽だと感じるのが、先輩だ。
違う部署になった時も、よく声をかけてくれたし、ご飯を奢ってもらったこともある。
いい先輩に恵まれたと、常々思うが、同僚や後輩、上司にまで意外だとよく言われるため、少々解せない。
｢先輩、いい人だし、からかいがいがあるから｣
ショッピ｢まあ、ですよね｣
と、笑っているところを見るに、ショッピ君も思い当たることがあるようだ。
ショッピ｢でも、ゾムさん特定の人としか仲良くしないみたいっすよ｣
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作者名：泡沫羊 | 作成日時：2019年9月29日 0時
