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桜魔皇国17日目【午後】 ページ7

魔の親子に別れを言ってから、私は晴さんを追った。
道に出たところで追いつき、なびく羽織を掴んだ。
「おい…!」
「ん?あ、あれ?魎?」
「…え?」

いつもの晴さんだった。
何故ここにいるのか全く分からないという顔をしていた。
「晴さん…だよな?」
「え?どゆこと?」
「良かった…」
屋敷に向かいながら、私は晴さんに説明をした。

「僕の中にね…おいおいまじかよ…」
「まぁ元に戻ったなら良い…」
「ところで、なんで家に来たの?」
「あーーーーー…いや、もう大丈夫だ」
「ほ、ほんと?」
「…強いて聞くなら…絶対に誰にも言えない己の秘密はあるか?」

「うーん、無いかなぁ?」
「…そうか、なら良い」
「う、うん…?」
「いや、もう単刀直入に聞こう」
「えなに?」
「晴さんって魔か?」

「…え?」
「思えば恐れる事では無いな、その時その時だ。晴さんは魔では無いか?」
「…どうしてそう思ったの?」
「勘だな、よく当たるんだ」
「そっか…でも違うよ、安心して」
「…そうか」

私は少しだけ笑って、足を止めた。
「どうしたの?」
「いや…そなた、芝居が向いてそうだな。声のみの芝居なら達人だと思うぞ」
「えぇ?どういうこと?」
「感情を声に乗せることが上手いという話だ。私は神社に戻るとする。ではな」

私は別の道を歩いて、晴さんと別れた。
神社に戻り、黒闇天に報告をした。
ちょうど藤士郎さんと吉祥天も戻って来た。
「…以上だ。これ以上はもう調べようが無いだろう」
「そうだな、ご苦労だったな」

「恐らく運命は戻った。後は姫様にお願いするとしよう」
「そういえば、その男から言われた旅人の絶望のことだが…」
「私が、魔になるって話か?」
「あぁ、なんとも思わないのか?」
「仮になったとしても、伝言があるんでね」
「…なら信じているぞ、旅人」
「うむ」

「あ、終わった?2人とも」
「どうぞ、姉君」
「はーい…って言いたいけど、明日で良い?」
「事情があるのか?吉祥天」
「うん、一応お姫様に伝えとかないとだからさ」

「そうか、分かった」
「あぁ、そうだ。なら久しぶりに祓魔師の仕事をお願いしていいか?旅人」
「何かあったか?」

「珍しく幼い参拝客が来てな、そいつの願いが『村にいる魔がいなくなりますように』との事でな。そいつの運命の糸を辿ってその村を特定した。資金が無くてろくに依頼出来ないようなのだ。人助けだと思って受け入れてはくれないか?」
「了解した、夜行く」
「助かる、任せたぞ」

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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時

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