1ヶ月桜魔皇国を旅した話三巻 (ページ49)

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桜魔皇国28日目【夜】ページ49

私は神社の屋根の上で、星空を眺めていた。
吉祥天と黒闇天は社の中で騒いでいた。
何で騒いでいるのは分からなかったが、まぁいつもの事だった。
いよいよ、明日に迫った彼らの現世渡り。
これから彼らは忙しくなるだろう。
しかしその分楽しい事も待っている、気楽にやって欲しい。

「そういえば、私もう神になったのだろうか」
何だかんだ、吉祥天が言っていたお告げ的なのは来ていない。
何か身体に違和感がある訳でもない。
「浮いたりできるのか？」
まさかそんな訳と思いながらも、屋根の上に立ち軽く跳ねてみた。

すると、ふわっと自然に浮き、なんなら空をとべた。
「これは…そうなんだろうな」
屋根に着地して、神になった事を自覚した。
「で、何の神なのだろうか」
「知りたい？」
「うわ、びっくりしたぁ」

吉祥天がひょっこり現れた。
「え？吉祥天分かるのか？」
「分かるよ〜」
「お告げ的なのが来るのでは？」
「来ないっぽいね、まぁでも思ってた3億倍見て分かる」
「結構分かるんだな」

「ずばり！魎は導きの神様！」
「導き？」
「迷ってる人たちを、導いてあげるのが本質だね」
「…なるほど」
「力の使い方は、自分で決めれるよ。こうしたらこれが出来るって想像して、実際やったらもうできるよ」

「そうなのか、今は使わなくて良いが」
「それに魎、あたしと黒闇天の影響かなりあるっぽいね！」
「どこがだ？」
「魎もそこそこご都合主義だよ、出来ない事の方が少ないね」
「あぁ…そう…」
「あと魎、多分術を継続して使えるよ」

「そうか、それはありがたいな」
「姿も帰れるけど、1回変えたらもう変えれないからね」
「いや、このままでいいかな」
「そっか、まぁ変えたい時にで大丈夫だよ」
「ありがとう吉祥天」
「いえいえ〜」