桜魔皇国24日目【午前】 ページ40
庭の花たちに水をやっていると、吉祥天が家に来た。
朗報とのことだった。
「どうしたのだ」
「あの3人、現世に渡るの4月2日だってさ!」
「もう後少ししかないな…どこの情報だ?」
「それはもう黒闇天よ」
「え?黒闇天起きたのか?」
「うん、昨日の夜に…ってか魎?!髪短くない?!」
「あぁ、昨日の夜に…」
「でもあれだね、髪型とかは大して変わってないね…なんか安心したぁ〜」
「そうか?」
「なんか、それでこそ魎って感じだから…髪解いたら腰くらいの長さかな?」
「あぁ、そうだな。それくらいだ」
「うん、でも、その髪の長さも似合う!良し!」
「そうか、ありがとう」
「あ、そうそう。それでね?現世に渡る日になんかしてあげたいなーって思ってさ!」
「神の加護ってやつか?」
「そうそう!で、何しようかな〜って」
「私に案を求めに来たのか」
「大正解!」
「そうだな…吉祥天は藤士郎さんに加護を与えたらどうだ?美の神様だろう」
「んー、でもあと2人は?」
「晴さんに黒闇天、景さんに私でどうだ?」
「え?魎って加護つけれるの?」
「与えれない事は無いんだ。ただ、姫様に言われたのは、それを使うと神と同等の存在になるそうだ」
「…って事は」
「腹は決めているよ、それに見た目というのは変わらないと姫様も言っていた。問題ないだろう、既に不老で人外なのだから」
「ここの神社から出られるの?」
「それは多分無理だろうな、だから姫様にも使う場所は考えろと言われた」
「…いいの?それで…」
「あぁ、問題ない。それまでには街でやるべきことは終わらせてくるから」
「…魎が神様になったら、なんの神になるんだろ」
「さぁ、全く分からないな」
「多分神様になったら、お主はナンタラの神だ〜って言われると思うから大丈夫だよ」
「あぁ、そうか…雑だな」
「神様なんてそんなもんだよ」
「そうか…では街での用事を済ませて来るとしよう」
「いいの?もう」
「さっさと済ませた方がいいと思ってな、未練が生まれないうちにな」
「そうだね、じゃああたし戻るね〜」
「あぁ、また」
吉祥天は神社に戻って行った。
私は小さく息をついて、道具を片付けた。
刀が腰に刺さっている事を確認して、私は街へ降りた。
これが最後だという自覚を持って、私は歩き出した。
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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時