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桜魔皇国22日目【午前】 ページ33

屋根の上で、私は一人適当に景色を眺めて座っていた。
時の流れが遅く感じる。
どこにも行かないと、誰とも話さないと、こんなにも退屈だったのか。
私は気を紛らわす意も含めて、昨日の事を考えていた。

昨日の、何故藤士郎さんが名前を覚えていたのか。
結局その事は、黒闇天にも吉祥天にも言っていない。
藤士郎さんはどうして、私の名を呼んだのだろう。
それに、約束までも覚えていた。
「…二百年後の藤士郎さんだったのか?」

可能性は低いとは思うが、ないことは無い。
むしろそうだろう。
正直あの時かなり動揺した、まさか名を呼ばれるだなんて思ってもいなかった。

しかし仮に、二百年後の藤士郎さんだったとしても、姿は短髪の今の姿だった。
意識だけだったのだろうか、しかしそんな事可能だろうか。
「…まぁ、なんでも良いか」
答えを導き出す事を諦めて、そんな事もあるだろうと思う事にした。

「あぁ〜…こんなにする事が無いとは…」
大きくため息をついた。
私は何をして過ごせば良いのだろうか。
歌や現代の言葉を勉強した方が良いだろうか。
とういうかもう、それしかする事が無い。

そして、それを学ぶ本も無い。
スマホは使い方が全く分からないので無理だろう。
結局、街に行かなければならない。
「あぁ〜も〜…しょうがないか…」
もう、その時その時だと思う事にした。
そうと決まったので、私は街の図書館に向かった。

図書館について、私は本を探して中を歩き回る。
居ないとは思うが、一応3人の気配を探ってみた。
すると、晴さんの気配を察知した。
「何故…いつもいないではないか…!」
縁というものは末恐ろしいものだと思い、私は近づかないようにした。

それっぽい本を見つけて、席について読もうとした。
しかし一階の広い読書エリアという場所に、晴さんの姿があった。
「参ったな…他に場所は…」
私はとりあえず、階段を使って2階に行った。
2階の奥の方に、個人専用の席があった。

ここなら大丈夫だと思い、私は空いてる席に腰掛けた。
私はとにかく言葉とその意味を覚えようと、必死になった。
現代には、片仮名だけではなく造語や、略語も多かった。
スマートフォンの事をスマホと略すのが略語のいい例。
街の人が言っていた『てぇてぇ』も造語のいい例だった。

『尊い』と『てぇてぇ』は同じ言葉からなっているのに、意味が違う事を知って頭が爆発しそうになった。
他の言葉でもそうだった。
気づけば、夕方になっていた。

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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時

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