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桜魔皇国20日目【早朝】 ページ22

昨日はあれから、3人は結局神社に帰った。
追おうとしたがもう見失ってしまった、気配も隠された。
しかししばらくはまた山奥にいるだろうと思い、準備をもう一度整える事にした。
術の解けた刀を鞘に納めて、黒闇天が持つことにした。

早朝、社の中で3人は寝ていた。
相当疲れているだろうから、吉祥天と黒闇天は起こさないように屋根の上で夜明けの空を見ていた。
「…ねぇ黒闇天」
「どうしましたか?姉君」
「…魎を元に戻したら、運命が元に戻るんだよ」
「そうですね」
「元に戻るって何だろう」

「聞きたいですか?」
「うん、聞いときたい」
「まず、彼らの記憶の中から完全に私たちの記憶が消えます」
「やっぱそうだよね…寂しいな」
「私は本来彼らに関係ないですからね。それから彼らは現世に行くことになります。現世と桜魔皇国を何度も行き来して暮らし始めます」

「それはお姫様も言ってたね」
「最後に、桜魔皇国は今よりもかなり平和になります」
「それはどうして?」
「今魔が多い理由は、全ては旅人の為だったからです。運命が元に戻った後、もう魎が出る幕は無いほど力のない魔が少し現れるくらいになります」

「そっか…平和になるんだ」
「糸がどうなるかわかりませんがね」
「うん、というか今の全部どこからの情報?」
「かぐや姫の置き土産です」
「…ふーん、なるほどね?」
「私に内密にするなど不可能な事に気づいたんでしょうね。昨日覚えの無い巻物を見つけまして」

「ほんと気分屋なお姫様…」
「その言葉そのまま返しますよ、気分屋な神様」
「黒闇天もね?」
「姉君程ではないです」
「いや絶対黒闇天の方がやばいよ!」
「姉君、彼らが起きてしまいます」
「むむむ…!」

はぁとため息をついて、吉祥天は黒闇天に聞いた。
「ねぇ、その刀どうするの?」
「旅人が帰って来た時に返そうと思います」
「…ふーん?」
「何ですか?」
「飾り作ってんの見た訳じゃないよ〜」
「?!あ、姉君見られて…?!」

「この前晴くんに教えてもらった!これてぇてぇって言うんだって!」
「意味が分からないですが何か恥ずかしい!それ以上言葉を発さないでください!」
「ほらほら黒闇天静かにー」
「姉君…!」

「あっはは!でもあたし嬉しいよ」
「何がですか?」
「晴くんにも言ったんだけどね、黒闇天が人の為に必死に何かする様になってさ、魎が来てから」
「…否めないです」
「それ、続けてよね」
「分かりました」

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作者名:神里 | 作成日時:2022年3月23日 8時

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